週刊俳句の佐山哲郎『月姿態連絡乞ふ』に対する拙感想文『月真下』から派生した連句の二巻目。
既望とはフォボス・ダイモス順不同 佐山哲郎
両側に立つ大道芸人 ゆかり
霞み晴れさてはおはこを取り出して のかぜ
春の水ゆゑ両手浸さん 月犬
白魚のやうな指持つ名外科医 ぐみ
錆びたナイフにあかつきの風 銀河
ウ 軍団はカレーライスで名を売れり なむ
歯は真っ白で髪はゴ-ルド 七
地球儀でフィアンセの住む国を指し 篠
Skypeで逢ふことももどかし 令
梅雨の闇なる真つ黒のただの闇 り
手さぐり傘で唸る鼻唄 ぜ
珈琲と牛酪の香り満ちあふれ 犬
静かの海へ食後の散歩 み
蹴り飛ばす地球太陽もうひとつ 河
日永の部屋のぼく独裁者 む
ガニメデは眼のある花が咲くと云ふ 七
オリュンポスより望む大凧 篠
ナオ 暮るるまで良寛さんをさがしたる 令
つぎつぎ揚げるなすび獅子唐 り
味を出す水と油の君と僕 ぜ
アラブの姫は秘術尽して 犬
蜜月は新惑星へ行きませう み
爆破しないで目的地まで 河
助手席に居残る熊の縫ひぐるみ む
春の大曲線を訪ふ 七
紅梅のあふれて音のない茶室 篠
賜死ののちにも雛の飾らる 令
どの月も十六夜である天王星 り
海贏うち回し耳を引かれて ぜ
ナウ その角を曲がれば見えてくる旧家 犬
竿竹売りの絶えて久しく み
葦晴れて下流デルタに田鶴の声 河
盤景に見る日本原形 七
弓を引く頬に落花のとめどなき 篠
海市の中にルナパーク佇つ 令
起首:2011年11月22日(火)
満尾:2011年12月23日(金)
捌き:ゆかり
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