2009年8月18日火曜日

正木ゆう子『夏至』4

かと思えば、こんな可笑しな句も。

啄木鳥の脳震盪を心配す    正木ゆう子
夜更しの螢は置いて帰りけり
ひさかたの光通信にて御慶


以下、好きな句です。

空蟬となりしばらくは蟬を待つ
飛魚の滞空に日の鋼なす
直角に斜めに雪の交差点
面をもて接す二つのしやぼんだま
棕櫚縄の夜雨に締まる山桜


 いずれも繊細にして印象のはっきりした句で、とりわけ「直角に斜めに雪の交差点」は雪が降るたびにきっと思い出すに違いありません。

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