2016年 6月26日(日)22時19分7秒から2016年 7月12日(火)11時41分19秒まで。
梅雨の灯 投稿者:なかやまなな 投稿日:2016年 7月12日(火)11時41分19秒
では改めてまして。
小さき石を並べてをりぬ なな
びゆいーんと輪ゴム伸ばしをりぬ
結婚指輪ぐるんと回す
ええと 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月12日(火)00時00分45秒
ふつう打越→前句が漱石の筋だったら、前句→付句の際にはもう漱石は離れるのが、連句の基本です。つねに新しいところへどんどん転じ、後ろを顧みず、全体として意味が通っていることは求めず、ごく近傍系だけで今いまが過ぎて行くこと、というのが連句の精神です。
二個輪ゴムをベン図のように置いて、重なっている部分が前句、最初に置いた輪ゴムの重なってない部分が打越、後から置いた輪ゴムの重なっていない部分が、今から自分が付けようとしているものです。
梅雨の灯 投稿者:なかやまなな 投稿日:2016年 7月11日(月)23時34分5秒
猪口一杯でやめる酒なり
お捌きお願いします。
漱石すぎますか。
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月10日(日)16時21分46秒
またですか、というか水島寒月禁止条例を発布したいくらいなのですが、それで行きます。二句目の方がよいでしょう。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
赤道越える光晴三千代 犬
スコールがふたりの肌を隠しをり り
将来といふばなな齧らん 河
放蕩をかさねてのちの啖呵売 庵
寒月までの簡単な橋 恵
着ぶくれて猫の名前は未だ決めず み
前句を「単簡な橋」にしたら漱石フリークっぽくて、前句「啖呵売」とより語呂合わせっぽくなるのかしら。ご意見募集。
ななさん、冬を離れて下さい。
梅雨の灯の巻 投稿者:ぐみ 投稿日:2016年 7月10日(日)14時57分42秒 編集済
放蕩をかさねてのちの啖呵売 庵
寒月までの簡単な橋 恵
`雪降れど猫の名前は未だ決めず み
前にスコールがあるので まずければ
着ぶくれて猫の名前は未だ決めず で いかがでしょうか。
はい、 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月10日(日)13時48分15秒
ずいぶんと語呂合わせっぽいですね。ではぐみさん、続けて下さい。
梅雨の灯の巻 投稿者:近恵 投稿日:2016年 7月10日(日)13時13分18秒 編集済
将来といふばなな齧らん 河
放蕩をかさねてのちの啖呵売 庵
寒月までの簡単な橋 恵
いかがでございましょう。お捌きを。
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月10日(日)11時44分33秒
媚庵さん、どうも。一句目の方がドラマを感じます。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
赤道越える光晴三千代 犬
スコールがふたりの肌を隠しをり り
将来といふばなな齧らん 河
放蕩をかさねてのちの啖呵売 庵
黒いバナナの女王の恵さん、打越を離れてお願いします。冬の月でもいいです。
梅雨の灯の巻 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 7月10日(日)10時48分23秒
スコールがふたりの肌を隠しをり り
将来といふばなな齧らん 河
放蕩をかさねてのちの啖呵売 庵
銀幕にフーテンの寅大笑い 庵
いかがでしょうか。お捌きよろしくお願い致します。
ああ、なるほど 投稿者:銀河 投稿日:2016年 7月 9日(土)23時19分45秒
・・・どうもありがとうございます。困らせることをまなびました、ww。
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 9日(土)22時08分47秒
いや、ここは肯定的な感情の方がよいでしょう。媚庵さんが困りそうなものに換えてみます。「いなづま」だと秋に戻ってしまうので、一句目を頂きます。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
赤道越える光晴三千代 犬
スコールがふたりの肌を隠しをり り
将来といふばなな齧らん 河
媚庵さん、お願いします。夏も恋も離れましょう。
ああ、なるほど 投稿者:銀河 投稿日:2016年 7月 9日(土)21時58分15秒
困ったときは三句の渡りに帰ればいいのですね。でもあまり上品ではなくなったなあ。すみません。
赤道越える光晴三千代 犬
スコールがふたりの肌を隠しをり り
案
不愉快といふばなな齧らん 河
フェイクタトゥーを照らすいなづま 河
ううむ 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 9日(土)18時52分17秒
銀河さん、三句の渡りというのは打越を捨てつつ前句と世界を作るものですから、スコールと平家部落が同時に存在するかとか、スコールの中で滴る汗が見えるかとか考えてみて下さい。
梅雨の灯の巻 投稿者:銀河 投稿日:2016年 7月 9日(土)18時03分29秒
なんだか、のすたるじっくになりましたが、よろしくお願いします。
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
赤道越える光晴三千代 犬
スコールがふたりの肌を隠しをり り
案
平家部落につばくろの巣(やど) 河
フェイクタトゥーに汗の滴る 河
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 8日(金)23時09分31秒
『マレー蘭印紀行』って未読です。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
赤道越える光晴三千代 犬
スコールがふたりの肌を隠しをり り
銀河さん、お願いします。
梅雨の灯 投稿者:月犬 投稿日:2016年 7月 8日(金)21時37分52秒
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
赤道越える光晴三千代 犬
どうでしょうか。お捌きください。
ううむ 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 8日(金)20時18分29秒
お任せします。
そろそろ 投稿者:月犬 投稿日:2016年 7月 8日(金)19時46分9秒
そろそろ恋でしょうか、まだ早いですか、恋には。
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 8日(金)19時10分58秒
ななさん、どうも。連句の場合、五七五/七七の繰り返しの乗りの快感というのが基本にある訳ですから、意識的にはずした句またがりは、単独の俳句におけるほど効果が得られません。一句目を頂きます。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ 地球儀に日本を見つけられずゐる なな
七吟で行きます。月犬さん、お願いします。
梅雨の灯 投稿者:なかやまなな 投稿日:2016年 7月 8日(金)11時45分39秒
よろしくお願いします。
地球儀に日本を見つけられずゐる
声高にかけつこの号令かける なな
お捌きください。
おさばきさまへ 投稿者:ぐみ 投稿日:2016年 7月 7日(木)13時02分40秒 編集済
「トットてれび」こちらでも日本語テレビでみられました。
恵さんのお名前につられ、手をあげてしまいました。私の本名が同じですので、つい・・。
また、道中、お手数をおかけしますがよろしくお願いします。、
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 7日(木)09時21分36秒
ぐみさん、ご無沙汰しております。先日まで放映していた『トットてれび』を観ながらご健在かと思っておりました。
二句目の「より」「ころり」「団栗」のりりり三段重ねがいいでしょう。前句には「湿り」があるので四段重ねか…。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
幼き手よりころり団栗 ぐみ
ウ
初折裏です。ここからは暴れどころです。ここで恋にすると公序良俗に反するので、まずは秋を離れて下さい。あと一人、どなたか。
梅雨の灯の巻 投稿者:ぐみ 投稿日:2016年 7月 7日(木)04時16分18秒
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
宇宙をめざす女子夜学生 ぐみ
幼き手よりころり団栗
レベル以下でご迷惑でしたら、参加あきらめます。 崖から飛びおりる気で。
あれ、清水の舞台 というべき?
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 6日(水)23時40分4秒
恵さん、お久しぶりです。年末のペンギン以来くらいでしょうか。
「朝顔ひらく煙草屋のまへ」で待っていたらバスが来た訳ですね。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
秋の句を続けて下さい。人間を登場させましょう。あとお二方、ご参加をお待ちしております。どなたか。
梅雨の灯の巻 投稿者:近恵 投稿日:2016年 7月 6日(水)23時30分59秒
どうもお久しぶりです。ヘッポコですが、よろしくお願いします。
月の座、お捌きお願いします。
三日月の湿りはバスの中にまで 恵
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 6日(水)21時16分21秒
媚庵さん、どうも。花の座というものがあるので、花の字がないとはいえ迂闊なところで出しにくいものの、今なら大丈夫な「朝顔」で行きましょう。前はひらがなにしてみましょう。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋のまへ 媚庵
月の座、どなたかお願いします。秋の月です。
梅雨の灯の巻 第四 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 7月 6日(水)09時27分40秒
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
朝顔ひらく煙草屋の前 媚庵
路地の奥から秋刀魚焼く煙(けむ) 媚庵
秋でつけてみました。いかがでしょうか?
梅雨の灯の巻 第三 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 6日(水)08時56分11秒
銀河さん、教えることはなにもありませんがどうぞ。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
板塀の節目いくつも連なりて 銀河
七吟くらいで行きたいです。四句目は雑か秋でお願いします。五句目が月の座となります。どなたか。
梅雨の灯の巻 参加希望 投稿者:銀河 投稿日:2016年 7月 6日(水)02時34分20秒
板塀の節目いくつも連らなりて 銀河
このたびは、正統的格調の連句をお教えいただきたく、しゃしゃり出てみました。よろしくお願いします。
梅雨の灯の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 5日(火)23時21分37秒
月犬さん、発句をありがとうございます。今回はオーソドックスな連句で行きます。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
きれいななみだ色にでで虫 ゆかり
第三、夏を離れてからりとさわやかに「て止め」でお願いします。どなたか。
発句 投稿者:月犬 投稿日:2016年 7月 5日(火)22時51分25秒
おそるおそる。
梅雨の灯を点しさみしき遊びかな 月犬
どうでせうか。
もろもろ 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 5日(火)09時00分57秒
銀河さん、ハートフルなご感想をありがとうございました。これがないと一巻が終わらないというか、三島ゆかりの評釈の文体だとこぼれ落ちるものを全部すくい集めて頂いた感があります。
桃子さん、こんな感じでやっていますので、いつでも気軽にご参加下さいませ。
さて、久しぶりにオーソドックスな連句を巻きたいところです。切れ字のある発句をどなたかお願いします。
江戸川乱歩出なくて 投稿者:桃子 投稿日:2016年 7月 4日(月)20時47分59秒
横溝正史でした。お恥ずかしいかぎりです。。
ありがとうございます。 投稿者:桃子 投稿日:2016年 7月 4日(月)20時46分14秒
銀河さん、もったいないお言葉ありがとうございます。
連句なんて初めての体験で、見よう見まねでドキドキしながら参加しました。
ショパンからにわとりの展開は、奇想すぎたかな?とも思いつつ、ゆかりさんに下五を直していただいて、捨てがたい一句になりました。鏡代わりの斧も、三角巾も、ゆかりさんが、突飛な私の句の中から、つながりを感じられるものを選んでくださってなんとかおさまったような気がします。古典の知識も、江戸川乱歩の知識もありませんので、完全にイメージで作りました。なんだかお恥ずかしですが、ゆるやかに句と句を続けていく感じはクセになりそうな面白さでした。またよろしければお仲間に入れてください。
フレッシュな桃子さん 投稿者:銀河 投稿日:2016年 7月 4日(月)13時13分51秒 編集済
はじめして・・、私はうるさ型を自認していますが、本当は、善良な迷い多い、しかし「奇麗な美人の風!」です。桃子さんが、「ショパンの曲のやうにやさしく」から、ペットそれも「にわとりを愛する男」を配されたので、こういう男がいい、自在な発想だなと感心しました。また、川面の弓張月を「鏡に立てかけた斧」にみたてたのも、すごくよかったです。弓と斧はともに武器凶器ですが、「斧」だけだと、木こりの労働の道具でもあり、おかげで次の世界がぐっと奥深くなりました。それから、「二股の道」は、横尾忠則のY字路シリーズをみると、まさに三角をなし、どちらへ行ってもいい選択肢の場面がでありますし、桃子さんは、そこを惨劇の方向をとらずに、傷ついた人を癒す知恵の女神ミネルバの梟のいる森の奧へ誘ったのですね。大いに共感しました。で、じつはアンドロイドの七さん、ほっとしたあまり、こんどは帰り途を忘れてこまりましたが、こういう老化現象は、ねじを巻きなおしたらまだ大丈夫、と優しい媚庵さんの支えで大団円。うん。とても奇麗な和やかな気持ちになりました。
型破りの発句を投げ出してみて よかった。これからもどうぞ、さわやかな風をおこしてくださいね。
ソネット形式の良さ・・ 投稿者:銀河 投稿日:2016年 7月 4日(月)12時48分59秒
その時の気分にあったものを出せば、あとは捌きや連衆の方々がうまくもっていってくださるだろうと。。ソネットは、泰西の抒情詩の形式がもとになっているので、こういう風の通り道を作るには、ぴったりですね。また、媚庵さん、さすが才気煥発、犬上家のだしかたとか、最後「前頭葉」から「機械仕掛けの螺子」を呼びだしてこられたところ、アッと驚きました。子規以来の俳句の感性を(山あり谷ありでしたが、それも眺めながら)、さわさわと通り抜けた感じでした。とてもすてきだと思います。ありがとうございました。発句については、まあ、なんでもあり、とかんがえていますが、歌仙の正調、格調を守ることも必要。またよろしく。おねがいします。
脇起しソネット俳諧・奇麗な風の巻評釈 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 7月 2日(土)01時23分27秒
例によって評釈というより捌き人の脳内ビジョンです。
●第一連
六月を奇麗な風の吹くことよ 子規
発句は銀河さんが見つけてきた子規の句。なんともからりとした梅雨晴間のような気持ちのよい句であるが、切れ字もなければひねりもない、オーソドックスな連句の発句にするにはいささか困ったものでもある。これを発句とするのであれば、オーソドックスな連句ではなくもっと風通しのいい形式を選択した方がよいだろう。ということでソネット俳諧とする。ソネット俳諧は十四句を四/四/三/三に分けて四連構成とし、それぞれの連に季節をひとつ割り当て、また連ごとに際立ったカラーを与える。花と月は必ずしも春、秋にこだわらず四連のどこかに入れる。三十六句からなるオーソドックスな連句に比べると半分以下の長さであり、連ごとに際立ったカラーを与えることとも相俟って、ちょっとした措辞が全体に及ぼす影響が大きくシビアな面もある。
青野の果てはあをき海原 ゆかり
脇は発句の風が吹き抜ける空間を描いて付ける。夏の季語「青野」からリフレインにより野と海のグラデーションを試みる。
天地を透明体のなにか行く 七
第三はオーソドックスな連句ではしばしば「て止め」を用い連句としての展開を誘うところであるが、ソネット俳諧では却って煩わしい作法であろう。脇の「青野」「海原」に対し、さらに大きく捉えて「天地」と置き、「青」「あを」のリフレインに対し「透明体」という硬質な言葉で受けている。発句「六月を」に対し「天地を」と助詞を揃えたところが、ソネット的な気分を盛り上げる。
ショパンの曲のやうにやさしき 銀河
捌き人から注文を出し、脇「青野の果て」に対し「ショパンの曲」と対句の気分を続けてもらった。前句の「透明体」を雨と捉えたものか(それは語源的に天でもある)、ショパンが導かれている。全体として第一連はきわめて叙景的なイントロダクションとなっている。
●第二連
にはとりを抱ける男と住み始め 桃子
第二連は第一連とは対照的に極めて人事的な内容で始まる。前句の「やさしき」を受けたものか「にはとりを抱ける男」が登場する。「抱ける」はこの場合「抱くことができる」という可能の意味だろう。「にはとりを抱ける男」が人間にもやさしいかはさだかではないが、とにかくこれは恋の句に違いない。
芸能記者に気をつける日々 媚庵
ところがその恋は人に知られてはいけないものだった。ここまで第二連としての季は明示されていない。
情報のやうに名残の雪降りて り
ここで「名残の雪」が示され、第二連は春と確定する。ぼたぼたと大きめの春の雪は、あまねく知れわたる破局のように不吉である。
行方の知れぬ春の野の旅 七
まだ寒い春の野を当てもなく旅する。全体として第二連は甘く切ない人間界を感じさせる。
●第三連
水分(みくまり)をまもる川面の弓張は 河
「みくまり」は「水配り」の意。山や滝から流れ出た水が種々の方向に分かれる所。水の分岐点。古事記には天之水分神と国之水分神が登場する。本句ではその水の分岐点の水面を三日月が守っているという。文字通り武器に由来する「弓張」という古語を選んできたあたり、なんとも緊張感を湛える。このようにして第二連の雰囲気から一変する。季としては月なので秋であるが、発句が「六月」なので、ここでは「月」の字を避ける配慮を見せている。
鏡がはりに立てかけし斧 子
前句の緊張感を「斧」で引き受け、第三連の雰囲気が決定的になる。「鏡がはり」とはどれほど鋭利に磨き込まれているのだろう。
二股を右へすすめば犬神家 庵
第三連の雰囲気と「斧」から犬神家が導かれる。「よき、こと、きく」は和の模様のひとつであるが、横溝正史『犬神家の一族』ではそれぞれ斧、琴、菊に見立てた殺人事件が起こる。
●第四連
三角巾を開くみみづく 子
前句「二股」から数字つながりで「三角巾」が導かれたのだろうか。第三連の緊張感から一転して人智を超えた癒やしの世界に向かう。季は「みみづく」なので冬。
螺子ゆるみ前頭葉に帰り花 七
惚けてしまうくらいの癒やしである。まだ花が出ていなかったので、冬の花である「帰り花」としている。
機械仕掛の神にまかせむ 庵
前句「螺子」から「機械仕掛」が導かれたものだろう。「機械仕掛の神」といえば、コンピューターに支配された社会を思ったりもする。手塚治虫の『火の鳥』では、二大国のコンピューターが直接対決して核戦争にいたり地球が絶滅の危機に瀕するわけだが、私たちのソネット俳諧は「む」で未来に希望を託して終わる。来年の六月も「奇麗な風」が吹くのだろうか。
媚庵さん 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 6月29日(水)22時18分27秒
「犬神家」の解説ありがとうございます。先にも書きましたが未読のため、じつは三角巾やみみづくと密接な関係があるのかも、というあたりが分からないのです。二股→三角巾という数字つながりの面白さで頂いたのではありますが…。
このあたり桃子さんにも種明かしをお願いしたいです。
斧(よき)、琴(こと)、菊(きく) 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 6月29日(水)22時02分16秒
言わずもがなかもしれませんが「犬神家」の付けについて、ちょっとだけ説明させてください。
水分(みくまり)をまもる川面の弓張は 河
鏡がはりに立てかけし斧 子
二股を右へすすめば犬神家 庵
鏡がはりに立てかけてある斧、ということで、この斧は凶器と決めました。
斧が凶器の殺人事件といえば、アタマに浮かんだのが、横溝正史の『犬神家の一族』。
これは小説を読んでいなくとも、映画の方は現在でもCSチャンネルで、かなりの頻度で放送しております。
「よき、こと、きく」は和の模様の一つですが、犬神家では、それぞれ斧、琴、菊に見立てた
殺人事件が起こります。
お裁きのゆかりさんが「斧は「よき」と読むわけですね。」とおっしゃってくださって、
なんとか私の独断も落ち着かせていただきました。
長々と蛇足を失礼いたしました。
数詞繰り返しの是非について・・ 投稿者:銀河 投稿日:2016年 6月29日(水)18時38分31秒
これも場面に合えば、数詞が続いてもお捌き次第だと思います。「二股」と「三角巾」の続き具合はユニークでおもしろかったです。
わたくしの場合「一等」でも「先頭」でも,句意には影響はないのですが、「六月」と「一等」、「六月」と「先頭」がどちらも硬く響きあうので、出しはしたけれど付け句としてはよくないな、と思っていました。ゆかりさんが「水分」のほうを取ってくださってよかったです。
まあそういうことです。推敲未完成のまま出してしまって、混乱させました。
満尾おめでとうございます 投稿者:銀河 投稿日:2016年 6月29日(水)18時16分1秒
正岡子規の型破りの句を発句にさわやかなソネット連句を巻いていただいてありがとうございます。
抒情的なソネットと、行方を奇麗な風にまかせて、という付け方がぴたりと合いました。
桃子さんは未知の方です。はじめまして。第二連「ショパン」をうけて第三連「にはとりを抱く男」と持ってこられたところ、なるほど、と思いました。
ほんとうはホックだけ提案して風の行方にまかせようかと思っていたのですがうっかりいつも通りに乗ってしまいました。この私のやくわりは、中途まではうまくいっようです。後半は、だからおりた気持ちではなく、ちょっと鬱屈がきつかったので、休んで風の流れを見てゆきたかったのです。人数調整にゆかりさんが苦労していられたようなのでちょうどよかったのでは?。
第4連三句。桃子さん、七さん、軽妙で、媚庵さん「機械仕掛けの風」がしゃれていて素敵な挙句になりました。「る」ではなく「よ」の添削も前句と、また発句のこころにも応じていて大満足。連衆のかたがた、捌きのゆかりさん、どうもありがとうございました。
満尾 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 6月29日(水)09時00分56秒
媚庵さん、恐れ入ります。あらためまして、これにて満尾とします。
連衆の皆さま、ありがとうございました。しばしご歓談下さい。
ありがとうございます。 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 6月29日(水)05時30分0秒
お捌き、ありがとうございます。
送り仮名の除去も、句末の変化もまったく納得です。
挙句をまかせていただき緊張しましたが、満尾にいたりました。
連衆のみなさま、ありがとうございます。
ソネット俳諧・奇麗な風の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 6月28日(火)23時17分5秒 編集済
媚庵さん、どうも。前句「螺子」から素直に三句目で頂きたいです。最後の助動詞はちょっといじってもいいですか。人が人に命令しているのではない感じにしてみたいのです。送り仮名も捌き人の趣味で送らないことにしたいです。
脇起しソネット俳諧・奇麗な風の巻
六月を奇麗な風の吹くことよ 子規
青野の果てはあをき海原 ゆかり
天地を透明体のなにか行く 七
ショパンの曲のやうにやさしき 銀河
にはとりを抱ける男と住み始め 桃子
芸能記者に気をつける日々 媚庵
情報のやうに名残の雪降りて り
行方の知れぬ春の野の旅 七
水分(みくまり)をまもる川面の弓張は 河
鏡がはりに立てかけし斧 子
二股を右へすすめば犬神家 庵
三角巾を開くみみづく 子
螺子ゆるみ前頭葉に帰り花 七
機械仕掛の神にまかせむ 庵
起首:2016年 6月13日(月)
満尾:2016年 6月28日(火)
捌き:ゆかり
媚庵さんがよろしければ、これにて満尾とします。
ソネット俳諧・奇麗な風の巻 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 6月28日(火)15時04分46秒
挙句です。
三角巾を開くみみづく 子
螺子ゆるみ前頭葉に帰り花 七
快気うれしき故郷の便り 庵
酔えば極楽くり返すのみ 庵
機械仕掛けの神にまかせよ 庵
いかがでありましょうか?お捌きください。
「冬の気分の雑で挙句」ですね。 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 6月28日(火)11時17分20秒
すみません。ちょっと長考いたします。
ソネット俳諧・奇麗な風の巻 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 6月27日(月)21時15分6秒
悩ましいですね。前句の持つ意味不明ながらの手負い感を生かそうと思うと、媚庵さんの老境も七さんの二句目の壊れた感じもよいです。ただ、冬の気分なりに花の座を決めてほしいところでもあり、媚庵さんのはて止めが惜しまれるし、七さんのは冬の気分と読みようがないくらい春のまんまです。ちょっと捌きの誘導の仕方がインチキですが、結局冬の正花を使わせてもらいます。漢字も平仮名にしてゆるゆるにします。
六月を奇麗な風の吹くことよ 子規
青野の果てはあをき海原 ゆかり
天地を透明体のなにか行く 七
ショパンの曲のやうにやさしき 銀河
にはとりを抱ける男と住み始め 桃子
芸能記者に気をつける日々 媚庵
情報のやうに名残の雪降りて り
行方の知れぬ春の野の旅 七
水分(みくまり)をまもる川面の弓張は 河
鏡がはりに立てかけし斧 子
二股を右へすすめば犬神家 庵
三角巾を開くみみづく 子
螺子ゆるみ前頭葉に帰り花 七
七さんも上がりです。媚庵さん、冬の気分の雑で挙句を決めて下さい。
冬の気分の花の座・案 投稿者:七 投稿日:2016年 6月27日(月)14時28分51秒
花の色映して水面涸れている
螺子緩み前頭葉に花は散る
花を持つポ-トレイトに在る枯野
ムズカシイです。
(無題) 投稿者:ゆかり 投稿日:2016年 6月27日(月)07時43分14秒
媚庵さん、どうも。て止めで来ましたか。七さんもよろしくお願いします。
冬の気分の花の座 投稿者:媚庵 投稿日:2016年 6月26日(日)22時19分7秒
冬の気分というのがむずかしいですが、ともかくやってみます。
三角巾を開くみみづく 子
老いたれど元は花形役者にて 庵
花道を歩みし日々を夢にみて 庵
いかがでしょうか。
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