2022年7月9日土曜日

掲示板過去ログ195

 2020年 9月 1日(火)16時50分34秒から2020年 9月23日(水)22時03分51秒まで。




遅ればせながら  投稿者:岡村知昭  投稿日:2020年 9月23日(水)22時03分51秒

  ゆかりさん、みなさん、今回久々の参加でしたが、楽しいひとときとなりました。


深く御礼申し上げます。


今回は韻の指定をどう生かすか、苦心しました。


捌きのお力を借りながらでしたが、


韻を意識しながらの展開を広げかた、


自分の中からどれだけ引っ張り出せたのかを、


改めて読みながら確かめようと思います。

 

 

 

まとコメ  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月22日(火)18時38分37秒

   まとコメにて失礼します。(このあたり文体がパソコン通信時代から30年変わっていません)


 れいこさん、三句しか出番がないのにがばりと変えてすみません。しかし、知昭さんの前句からのぶっ飛び具合はさすがです。よくぞそれがここで出たと思いました。


 トキさん、新形式というのは短時間で巻き上がることを目指して短いものが多いのです。コンパクトでかわいい形式というのは、まさにその通りなのです。


 鯖男さん、獅子吼形式で巻いたのはまだ二回目で、これまで二回は脚韻で巻きましたが、次に巻くときは頭韻で巻くかも知れません。そのくらいふにゃふにゃで固まっていません。実際のところ、漢詩や西洋詩のかたちを借りて今回は脚韻で巻きましたが、俳句作者として一句の中で音韻的な快楽を感じるのは、むしろ頭韻においてです。


 これまで三十六句連なるスタンダードな歌仙形式を中心に巻いてきましたが、連句というのはそれだけではないので、今後も機会があればいろいろな形式を巻いてみたいと考えています。


 皆様、ありがとうございました。またお付き合い下さいませ。  

ありがとうございます  投稿者:鯖男  投稿日:2020年 9月22日(火)13時46分15秒

  あっというまでした。

連句では、俳句では作らないような句が出せるのが快感です。


この形式はまだ完成形ではないのですね。

韻というもの勉強になりました。

韻に淫するという言葉を頭にうかべつつ。  

(無題)  投稿者:トキ  投稿日:2020年 9月21日(月)18時49分17秒

  六吟獅子吼、はもちろん初めてで。最初は戸惑いがありましたが。

いや、私は、連句はいつも戸惑っています。

なんか、コンパクトでかわいい形式ですね。

囮の鳥からたまごぼうろへと至る、メルヘンな展開。

ゆかりさん、ありがとうございました。

みなさま、ありがとうございました。  

ありがとうございました  投稿者:なかはられいこ  投稿日:2020年 9月21日(月)18時15分3秒

  ゆかりさま。


なんとか形にしていただいてありがとうございます。

韻を踏む、しかも母音で。頭に中にあいうえお表が必要でした(笑)

さいしょ、どうなることかと思いましたが苦しくも楽しい時間でした。

連衆のみなさま、どうもありがとうございました。



 

ちょっと変えます  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月21日(月)13時58分33秒 編集済

   第三連の脚韻の位置を変えて、3-8と3-9としてみます。また酒を出せなかったのでそれも補います。


     六吟獅子吼 囮の鳥の巻


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華咲く人の世の果て     ゆかり

   からすうり持つ迷ひ子に懐かれし    鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふズブロッカ      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り

    二十年ほど笑つてすごし        男

   花冷の鎖骨に揺るるターコイズ      あ

    名残の雪のすぐ消ゆる白        昭

   たまごぼうろのふはとおぼろ夜      れ


起首:2020年 9月14日(月)

満尾:2020年 9月21日(月)

捌き:ゆかり


 挙句前のg、yuの連鎖が挙句の「ぼうろ」「朧」を呼び、それが遠く発句の「囮の鳥」と呼応する、という感じです。いかがでしょうか。  

あんこさん  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月21日(月)11時50分48秒 編集済

   あんこさん、ご参加ありがとうございました。脚韻、いつもと違う脳を使うけど、楽しいですよね。


 第三連の脚韻は、制度設計の失敗だったかも知れません。3-1と3-9で脚韻を踏んでも、離れすぎていて韻だと認識できません。むしろ、3-8と3-9を短句で続けるのであれば、ここで韻を踏んだ方が調べが整ったのかも知れません。ここは、次回の課題ですね。獅子吼は進化する魔球です。いや、今から差し替えようかな。


 月と花、両方ともあんこさんに回ってしまったのですね。捌き人としては失敗失敗大失敗でした(^^);


 また遊んで下さい。  

満尾、おめでとうございます☆  投稿者:あんこ  投稿日:2020年 9月21日(月)11時40分25秒 編集済

  参加させて頂き、ありがとうございます。


脚韻を踏むなど初めての経験!


そして、今回は、月・恋・花と

大事なパート? に番が来て、

いつも以上にひいひいでしたが(^_^;)

難しくも楽しい時間でした。


ゆかりさん、連衆の皆様。

どうもありがとうございました。  

囮の鳥の巻 満尾  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月21日(月)10時08分25秒 編集済

   れいこさん、ありがとうございます。七七を重ねるときに両方とも叙景だと打ち消しあってしまうかもしれませんね。二句目を頂きたいのですが、母音oで終わっていないので、大胆にがばりと変えます。また一句前もちょっと変えます。


     六吟獅子吼 囮の鳥の巻


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華咲く人の世の果て     ゆかり

   からすうり持つ迷ひ子に懐かれし    鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り

    二十年ほど笑つてすごし        男

   花冷の鎖骨に揺るるターコイズ      あ

    名残の雪の白の眩しさ         昭

   たまごぼうろのふはとおぼろ夜      れ


起首:2020年 9月14日(月)

満尾:2020年 9月21日(月)

捌き:ゆかり


 これにて満尾とします。スリリングな八日間でした。皆様、ありがとうございました。しばしご歓談下さい。


 なお、秋袷/夏痩問題は鯖男さんから代案を頂いたことによりさして目立たなくなったので、「夏痩」はそのままとします。  

挙句  投稿者:なかはられいこ  投稿日:2020年 9月21日(月)08時58分1秒

  ぴえん というのが(泣)という意味だとテレビでゆうてました。

どれもイマイチです、ぴえん。

お捌きください。


おいでおいでと誘ふ弥生野

たまごぼうろでふはふはの春

妖精たちが住まふたんぽぽ

初虹映る家々の窓

 

囮の鳥の巻 3-8  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月20日(日)14時02分10秒

   知昭さん、ありがとうございます。

一句目を頂きたいのですが、末尾oなのでちょっと変えます。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華咲く人の世の果て     ゆかり

   からすうり持つ迷ひ子に懐かれし    鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り

    二十年ほど笑つてすごし        男

   花冷の鎖骨に揺るるターコイズ      あ

    名残の雪の午後の眩しさ        昭


 いよいよ挙句です。短句をもう一句続けます。れいこさん、春のおめでたい句を、末尾oで3-1と脚韻を踏んでお願いします。

 

囮の鳥3-8  投稿者:岡村知昭  投稿日:2020年 9月20日(日)13時46分5秒

  名残の雪の眩しき午後よ

大人少なき街に淡雪

淡雪に口噤んでしまい

名残の雪に濡れる黒髪


花冷からの春の雪、今年は画像で見たような…。


 

囮の鳥の巻 3-7  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月20日(日)13時16分22秒

   あんこさん、ありがとうございます。前句と並んだとき、人生の重みを品位のうちに感じる三句目がよいでしょう。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華咲く人の世の果て     ゆかり

   からすうり持つ迷ひ子に懐かれし    鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り

    二十年ほど笑つてすごし        男

   花冷の鎖骨に揺るるターコイズ      あ


 あと二句、時期が戻らないように春の句を続けます。とはいえ、雪が未出でして名残の雪みたいなかたちでねじ込めないでしょうか。

 知昭さん、末尾o以外でよろしくお願いします。

 

囮の鳥の巻 花または春  投稿者:あんこ  投稿日:2020年 9月20日(日)11時32分48秒

  振り向けばだあれもゐない花吹雪 あ

散る花の橋の真中を行きをれば

花冷の鎖骨に揺るるターコイズ

春潮のふたたび開くエアメール

朧より白き腕のあらはれて


遅くなりました。お捌きお願いします。

 

1-2,3差替  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月19日(土)16時16分12秒 編集済

   鯖男さん、ありがとうございます。ざっくり植物ですが花と実では違うし、それで頂きます。「曼珠沙華立つ」「からすうり持つ」では同型が目立つし、発句「かたむきに」に対し「立つ」がわざとらしくもあるので、脇も少し変えます。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華咲く人の世の果て     ゆかり

   からすうり持つ迷ひ子に懐かれし    鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り

    二十年ほど笑つてすごし        男


 知昭さんの2-1「夏痩」のほうは代案はありますか。

 

差し替え案  投稿者:鯖男  投稿日:2020年 9月19日(土)14時33分32秒

  三句目の差し替えですが、


からすうり持つ迷ひ子に懐かれし


ではどうでしょう。植物が続くのはまずいのでしょうか。  

囮の鳥の巻 3-6  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月18日(金)20時53分44秒

   鯖男さん、ありがとうございます。

何を出しても過剰な感じがする状況で、この一句目はすごくいいのではないかと思います。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り

    二十年ほど笑つてすごし        男


 さて、残り三句なのであとは春にしましょう。長句、短句、短句と続きますが長句か初めの短句を花の座としたいと思います。

 ではあんこさん、お願いします。

 

未出とは  投稿者:鯖男  投稿日:2020年 9月18日(金)18時23分20秒

  二十年ほど笑つてすごし

ティンカーベルに匂ひはあるか

戦車のやうにやつてきた奴

菊地桃子の物真似でした  

あ  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月18日(金)15時27分21秒

  止まらないだと「オルゴール鳴り続く有明」に障るのでちょっと変えます。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音を夢に聞く      り  

囮の鳥の巻 3-5  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月18日(金)15時17分15秒 編集済

   トキさん、ありがとうございます。これは二句目がうつくしいでしょう。次は私です。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ

    オーロラとして転送さるる       キ

   松過ぎてモデムの音が止まらない     り


 鯖男さん、未出の要素の末尾oでない短句をお願いします。




 

(無題)  投稿者:トキ  投稿日:2020年 9月18日(金)13時17分33秒

  うーん、


五六歩先へワープしてゆく

オーロラとして転送さるる

マザーボードをぶちぬくパンチ

みづうみあまた踏み抜いてゆく

エレベーターをハンマー投げす

しぶきもろともスケベニンゲン  

囮の鳥の巻 3-3  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月18日(金)00時30分15秒

   れいこさん、ありがとうございます。そういえば前にもそんな会話をしたような…。三句目が豪快でいいでしょう。これで海は出ました。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭

   北斎の波かと思ふ伯母がゐて       れ


 どれだけすごい伯母なのでしょう。トキさん、未出の要素の末尾oでない短句をお願いします。火事でも喧嘩でも。

 

囮の鳥の巻 3-3  投稿者:なかはられいこ  投稿日:2020年 9月17日(木)23時40分21秒

  うう、すみませぬ。下戸なのです。

ど、どうでしょう?


ワイン手に踊るマハラジャ踊る犬

リモートで八海山の山頂へ

北斎の波かと思ふ伯母がゐて   

囮の鳥の巻 3-2  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月17日(木)22時14分34秒

   知昭さん、ありがとうございます。この場面で雪を出すと冬に戻ってしまうので、一句目がいいでしょう。さすが「きりぎりす走れ六波羅蜜寺まで」「崇徳院詣でのカラスアゲハかな」の知昭さんです。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ

    般若心経口ずさみたる         昭


 おおっと、この般若心経の破壊力にれいこさんはいかに立ち向かうか。句末の母音oは回避してお願いします。酒もまだ出ていません。

 

囮の鳥の巻 三巡目  投稿者:岡村知昭  投稿日:2020年 9月17日(木)21時28分28秒

  般若心経口ずさみたる

雪降りだしてここは幕張



ひとまずこう出してみます。暴れるのも難しいです…。  

囮の鳥の巻 3-1  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月17日(木)13時06分46秒

   あんこさん、ありがとうございます。前句の切羽詰まった感を生かして四句目を頂きます。あんこさんとれいこさんがいるので、「あ」で。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


   終電に忘れてしまふプレゼント      あ


 知昭さん、あばれどころなので諧謔を尽くして下さい。脚韻はoを避けてお願いします。まだ出ていない海とか雨とか神とか、世界のカタログのようにいろんな要素を混ぜ込んで下さい。


 ではお願いします。

 

囮の鳥の巻 恋  投稿者:あんこ  投稿日:2020年 9月17日(木)12時54分57秒

  本物はどちらと笑ふ君の顔    こ

待ち合はす机に白きティーポット

こひびとの二言目には糖尿と

終電に忘れてしまふプレゼント

恋人の大きな口のイタリア語


母音oで脚韻を踏み、暴れどころの恋って……

お捌きお願いいたします(ショボン)


 

囮の鳥の巻 2-4  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月17日(木)10時16分14秒

   鯖男さん、ありがとうございます。前句が生きる二句目の方を頂きます。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ

    すぐ行かないと凍つちやふから     男


 第三連は一句目と九句目を母音oで脚韻を踏むものとします。二句目~八句目は逆に母音o以外を厳守となります。通常の連句の初折裏~名残表のようにあばれどころとして自在に展開して下さい。


 ではあんこさん、恋を続けて下さい。



 鯖男さんからもうひとつ頂いた1-3の差替案ですが、ご懸念のとおり囮と虫籠が近いですね。もう一句いかがでしょうか。

 

秋の句  投稿者:鯖男  投稿日:2020年 9月17日(木)09時54分7秒

  秋をそのままいれないのですね。

だいぶ雰囲気がかわるけど、


虫籠を持つ迷ひ子に懐かれし


はどうでしょうか。次の「鳴り続く」とつきすぎてますか。

囮と虫籠は近すぎるかも。


 

考えてみました  投稿者:鯖男  投稿日:2020年 9月17日(木)09時44分19秒

  冬の句でかんがえてみました。

恋の感じをいれて二句ほど。


鯨みたいに飛んでみたいな

すぐ行かないと凍つちやふから  

囮の鳥の巻 2-3  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月17日(木)01時02分17秒 編集済

   トキさん、ありがとうございます。一句目が圧倒的に面白いですね。アクリル板の手前のフェイスシールドの手前の不織布マスクの手前の…と、食品工場の衛生管理のはずなのに逆にパイナップルの果汁が危険な飛沫みたいになっていて。いつまでもくちびるにたどり着けない恋の呼び出しのようでもあります。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに     トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て     ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし       鯖男

    オルゴール鳴り続く有明      あんこ


   夏痩の野球評論家の語る        知昭

    パイナップルの芯の抜き方     れいこ

   どこまでも入れ子になつてゐるマスク   キ


 全体が十七句なので、ここでゆかりは一回抜け、以後長短がずれます。

鯖男さん、脚韻aの短句をお願いします。シンメトリーに夏二句、冬二句とするのもよし、恋にするのもよし、合わせ技で冬の恋っぽくするのもよしです。


 ところで、「秋」とか「夏」とかそのままの語は避けたいのですが、迂闊にも「秋袷」「夏痩」を頂いてしまいました。同じ音数でちょっとした差替ができないかご検討下さい。  

(無題)  投稿者:トキ  投稿日:2020年 9月16日(水)21時34分43秒

  冬でどうでしょうか


どこまでも入れ子になつてゐるマスク

くちびるのまるい真冬のるるるるる

環のなかへなかへ霰の吸はれゆく

くだものの私が北窓をふさぐ  

囮の鳥の巻 2-2  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月16日(水)18時49分27秒

   れいこさん、ありがとうございます。二句目を頂きます。促音の外来語の旧仮名は小さく書くのでよかったと思いますので、小さくします。詳しい人、違っていたら教えて下さい。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに   トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て   ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし     鯖男

    オルゴール鳴り続く有明    あんこ


   夏痩の野球評論家の語る      知昭

    パイナップルの芯の抜き方   れいこ


 夏を離れましょう。トキさん、雑か冬でお願いします。脚韻はuでお願いします。もし冬で行くなら、第二連は夏二句、冬二句の対句っぽいものにするのもよいでしょう。

 

囮の鳥の巻 2-2  投稿者:なかはられいこ  投稿日:2020年 9月16日(水)17時47分41秒

  ゆかりさま、みなさま。

遅くなってすみません。

どうぞよろしくお願いします。


食べ物からはなれられませんでした。

お腹すいてるの。



鱚のひらきを焼くか揚げるか

パイナツプルの芯の抜き方

葛饅頭の老舗いつくか

 

囮の鳥の巻 2-1  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月15日(火)23時26分17秒

   知昭さん、ありがとうございます。


一句目…秋袷→オルゴール→洋館という辺りで、続いてしまっている感がありますね。

二句目…発句が「囮の鳥」なのでここで「白鳥」を採ると、第三連の頭にも鳥を置きたくなります。

三句目…「夏去りて」では秋が続くことになってしまいます。


ということで、四句目を頂きます。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに   トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て   ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし     鯖男

    オルゴール鳴り続く有明    あんこ


   夏痩の野球評論家の語る      知昭


 ではなかはられいこさん、夏を続けてもよし、離れてもよし。母音aかoで終わる短句をお願いします。何を語ったのか…。


 

囮の鳥の巻 二巡目  投稿者:岡村知昭  投稿日:2020年 9月15日(火)23時02分25秒

  洋館のコントラバスは大丈夫

リアス式海岸に白鳥の着く

夏去りてなかなか立たぬ大男

夏痩の野球評論家の語る


ひとまずやってみました。a音ができなかったので、ひとまずのu/o音です。

二巡目のはじまりというので、展開を意識したつもりではありますが、どうでしょうか。  

囮の鳥の巻 4  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月15日(火)21時19分46秒 編集済

   あんこさん、ありがとうございます。

句尾が後ろに向かって開かれているか、閉じているかという観点で見ると、既出の三句は


   日がうごく囮の鳥のかたむきに   トキ open

    曼珠沙華立つ人の世の果て   ゆかり close

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし     鯖男 open


となっています。ここでもう一句openなものを置くと、第一連全体が浮遊的な存在となってしまいそうです。ちょっと三句目を変えて頂くことにします。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに   トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て   ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし     鯖男

    オルゴール鳴り続く有明    あんこ


 ここまでで第一連は終わりです。この後ですが、岡村知昭さん→なかはられいこさんと続き、六吟で回します。ただし全体で十七句(17=6*3-1)なので、二巡目で一回ゆかりが抜け、そこで長短が入れ替わります。


 第二連は、秋を離れ脚韻としては第一連で使わなかった母音a、u、oのどれかふたつとします。春は花とともに第三連の最後のほうとしたいので、第二連は雑か夏か冬で行きます。


 では岡村知昭さん、お願いします。



 

囮の鳥の巻 4  投稿者:あんこ  投稿日:2020年 9月15日(火)16時58分4秒

  月光くぐり百年先へ あんこ

川面の月をほしいと泣かれ

オルゴールから三日月の出て

名前を聞けば満月指して


お捌き宜しくお願いします。

 

囮の鳥の巻 3  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月15日(火)12時49分34秒

   鯖男さん、ありがとうございます。韻は難しいけど、やがて快感に変わります。ぴしぴし。


 「に」は助詞として一句目と揃ってしまうと、変化が乏しくなってしまうので、「筑前煮」とか「レオ・レオニ」とか、そうでないものを持ってきたいところですね。「何」というのも、そうでないもののひとつですが、打越が「日」で「夜」ですかという障りもあり…。


 ということで母音iの一句目を頂きます。「見よ不完全変態の虫ばかり」のような破調はあばれどころの第三連に温存しておきましょう。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに   トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て   ゆかり

   秋袷着る迷ひ子に懐かれし     鯖男


 あんこさん、秋を続けて短句ですが月の座でお願いします。語尾は二句目に揃え、母音eでお願いします。


 

三句目  投稿者:鯖男  投稿日:2020年 9月15日(火)12時00分52秒

  よろしくお願いします。

韻は難しいですね。


「に」でいくつか作ってみたのですが


夜仕事のよくわからないこれは何

ひとり住むをんなあるじは鯊釣に

声かけよ秋袷着る迷ひ子に


発句と違う語尾のほうが面白い気がしてきて


秋袷着る迷ひ子に懐かれし

秋の夜の館に誰か灯をともし

見よ不完全変態の虫ばかり



 

囮の鳥の巻 脇  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月14日(月)21時20分57秒

   前回はトキさんでしたね。発句をありがとうございます。メランコリックな三句目を頂きます。


   日がうごく囮の鳥のかたむきに   トキ

    曼珠沙華立つ人の世の果て   ゆかり


 では第一連は全部秋で行きましょう。亀山鯖男さん、発句と脚韻を踏んで三句目をお願いします。母音iだけでもいいし、「に」でもいいし、「きに」でもいいですが、そのやり方に反応して以後の世界が靡きます。

 

発句いくつか  投稿者:トキ  投稿日:2020年 9月14日(月)18時55分40秒

  よろしくお願いします。前回私は「トキ」でしたっけ?


よこむきにくる乗りものが落花生

われからの髭に目星をつけておく

日がうごく囮の鳥のかたむきに

パプリカが三つむつかしさうにある

どこからか来てエリンギをたべる人

 

獅子吼、巻きます。  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月14日(月)09時59分20秒

   「尾長来ての巻」の評釈が続いていますが、並行して獅子吼形式で巻きます。語呂合わせで四行、四行、九行の三連からなる、ソネットより長く半歌仙より短い形式で、脚韻を踏みます(a~eの箇所)。第三連が普通の歌仙のあばれどころに相当します。花や月は適当に散りばめます。


長句a(当季)

 短句b

長句a

 短句b


長句c

 短句d

長句c

 短句d


長句e

 短句

長句

 短句

長句

 短句

長句

 短句

短句e


 前回巻いたときは最後が長句だったのですが、鈴木漠さんからのサジェッションにより今回は最後は短句が続くものとします。


 発句は鴇田さんにお願いしました。ではよろしくお願いします。  

尾長来ての巻 評釈(3)  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月13日(日)15時45分36秒 編集済

      愛のかたちはアシンメトリー

   豆雛の並べられたる違ひ棚        季

 雛として並べられるのであれば、その愛は成就したのだろう。アシンメトリーの方は「違ひ棚」に継承される。まだ花の座は遠いが、ここから春の句が続き、ゆっくり時間軸通りに進行する。


   豆雛の並べられたる違ひ棚

    漆器に積もる黄砂払ひて        簾

 違い棚の平面性から「積もる黄砂」が導かれている。ちなみに玉簾さんは石垣島在住。本土とは比べものにならない黄砂の量を目にしているのだろう。


    漆器に積もる黄砂払ひて

   龍天に登り易げな雲に月         子

 黄砂を運ぶ強風によって高速に雲は流れ、月が見え隠れする。中国は「説文解字」に由来する季語によりダイナミックな景となっている。


   龍天に登り易げな雲に月

    首都高のごと蝌蚪の紐伸び       り

 龍を受け「蝌蚪の紐」で付けている。先の東京オリンピックに併せて突貫工事で建設された首都高速道路は、用地買収の手間を惜しみ川や堀の上に作られたため、ぐにょぐにょに曲がりくねっている。


    首都高のごと蝌蚪の紐伸び

   廃線をたぐり寄せれば花の宴       萸

 花の座である。「配線」であれば龍→「蝌蚪の紐」の筋に障るが、なんと同音異義語の「廃線」なのである。全国津々浦々、鉄道は廃線となってもその先に人のくらしと自然は残っており、過疎となっても限界集落となっても季節になれば開花するのである。たぐり寄せているのは往年なのかも知れない。


   廃線をたぐり寄せれば花の宴

    記憶の底のペンギン村に        令

 ペンギン村は鳥山明による四十年前の漫画作品『Dr.スランプ』の舞台。アニメ化もされ、あれほど大ヒットしたのに『アンパンマン』や『ドラえもん』と異なり、いまや忘却の彼方である。ここで、ようやく春を離れる。

 

尾長来ての巻 評釈(2)  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月12日(土)21時24分24秒

      ルーシー語るフェミニズム論

ウ  神無月襖開ければオノ・ヨーコ     玉簾

 ルーシーと聞けば条件反射的にビートルズのサイケデリックなナンバー「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」を思い浮かべる人も多いだろう。ジョン・レノンがその曲を作曲後半年くらいで出会う年上で謎の前衛芸術家がオノ・ヨーコなのだった。連句の進行上は、初折裏のここからがあばれどころである。ルーシーとオノ・ヨーコはかなり遠く、まさに襖を開けたような突然の展開であり、あばれどころの幕開けにふさわしい。冬の句である。


   神無月襖開ければオノ・ヨーコ

    火をつけたのはあんたぢやないの    子

 ヨーコの発言のようでもあり、ビートルズ解散の原因ともいわれるヨーコに向けた発言のようでもある。強い調子の口語が刺激的である。冬を一句で打ち棄てている。


    火をつけたのはあんたぢやないの

   吹き消せぬほどのらふそく立ち並び    り

 心でも状況でもないものに転じてみた。バースデイ・ケーキのろうそくをイメージしている。


   吹き消せぬほどのらふそく立ち並び

    密に集ひて百物語           萸

 さらに転じて怪談としている。コロナ禍の折、「密に集ひて」のくすぐりが楽しい。「百物語」を夏の季語としている歳時記もある。


    密に集ひて百物語

   怖いもの見たさのやうに好きになり    令

 前句を踏まえた上で、恋の句に転じている。夏の句を一句で打ち棄てている。


   怖いもの見たさのやうに好きになり

    愛のかたちはアシンメトリー      生

 「怖いもの見たさ」の主は、その他の面ではとてもまともで、傍目にはその非対称性が面白いのだろう。内容とは裏腹にaで頭韻を揃え調べが心地よい。

 

茱萸さん  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月 2日(水)23時53分37秒

   ご参加ありがとうございました。

前の方で「玉簾さん~晶子さんのラインが火と油の関係になっていて、玉簾さんが火をつけると晶子さんが油を注いで私のところに回って来るのです」と書きましたが、私がその因果を断ちきる役割で、茱萸さんが新しい芽を育てるような感じで進行したと思います。


ウ  神無月襖開ければオノ・ヨーコ    玉簾

    火をつけたのはあんたぢやないの   子

   吹き消せぬほどのらふそく立ち並び   り

    密に集ひて百物語          萸


    漆器に積もる黄砂払ひて       簾

   龍天に登り易げな雲に月        子

    首都高のごと蝌蚪の紐伸び      り

   廃線をたぐり寄せれば花の宴      萸


   トリッパのトマト煮のあるレストラン  簾

    諜報部員のグレーのコート      子

   解読に時間のかかる懸想文       り

    地層の奥の衣ずれを追ふ       萸


    遠回りしてこほろぎを聴く      簾

   ゆつくりと地球の昇る月の海      子

    億千万の曼珠沙華燃ゆ        り

ナウ 歌姫の生命線は長く伸び        萸


 中では「廃線をたぐり寄せれば花の宴」「地層の奥の衣ずれを追ふ」に見られる詩情にきゅんとしました。


 

満尾おめでとうございます。  投稿者:沢茱萸  投稿日:2020年 9月 2日(水)21時42分24秒

  今回2度目の参加でしたが、前回よりは楽しむ余裕ができたかな…という気がしています。


遠雷に分別らしき犬の顔      小奈生

ルーシー語るフェミニズム論    由季

神無月襖開ければオノ・ヨーコ    玉簾


いきなりダイナミックな展開に大変わくわくしました。PEANUTSのルーシーは欠点も多いけれど決してへこたれない強い精神力の持ち主でもあり、フェミニズムの論客としてはピッタリの役どころですね。そこから一転、襖の向こうのオノ・ヨーコは沈思黙考のイメージで急に場面が静かになってしまうのも、どことなくアイロニカルでもあり面白かったです。


厳しい残暑が続いていましたが、連句は心の清涼剤でした。ご一緒させていただきありがとうございました。  

尾長来ての巻 評釈(1)  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月 2日(水)15時11分17秒 編集済

   いつものように評釈のようなものを小出しで書きます。

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   尾長来て人を見下ろす残暑かな    晶子

 この八月はとにかく暑い。ふと見上げると尾長が、へばった人間を見下ろしている。ちなみに念のため歳時記を確かめたが、尾長は一年中見かけるので季語ではないらしい。発句は晶子さんから頂いた。晶子さんとはかれこれ二十年近くネットで句座をともにしているはずだが、いまだ面識がない。SNSで連句をやりたいと書いていらしたので、誘ってみた。


   尾長来て人を見下ろす残暑かな

    誰も知らない色のなき風     ゆかり

 陰陽五行説では四季に色を割り当て、春は青、夏は赤、秋は白、冬は黒とした。そこから秋の風を「色なき風」という。古今集の有名な「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる 藤原敏行朝臣」の「目にはさやかに見えねども」も、もしかすると「色なき風」から発想して整えたものなのかも知れない。敏行は「風の音にぞおどろかれぬる」とした訳だが、この脇では発句の残暑を受けて、見えないのだから誰も知らないし、吹いているかどうかも分からないとしてみた。とにかく暑いですねという挨拶である。


    誰も知らない色のなき風

   夕月の声はひゆうひゆう出づるらん  茱萸

 第三は発句と脇の挨拶を離れ、「さて」という感じで始まる。発句が秋なので本来五句目の月の座を引き上げ、また発句の「尾長来て」に障らぬよう、「て止め」を回避している。「ひゆうひゆう出づる」声の正体はなにか。ミステリアスな第三である。ここまで秋。


   夕月の声はひゆうひゆう出づるらん

    メタセコイアの湖の道        令

 前句の「ひゆうひゆう」を解決すべく、疾走感のある句で付けている。景が大きい。


    メタセコイアの湖の道

   遠雷に分別らしき犬の顔      小奈生

 前句の湖畔を受けて夏の句としている。慣れた土地の犬なのか、雷に驚く訳でもなくおとなしくしている。


   遠雷に分別らしき犬の顔

    ルーシー語るフェミニズム論    由季

 前句の「分別らしき犬」を受けて、なんとスヌーピーの『ピーナッツ』の世界に転じている。ネット上のキャラクター図鑑では自分勝手でわがままな女の子とされるルーシー・ヴァン・ペルトはどのようなフェミニズム論を語るのだろう。夏は一句で捨て去っている。


 

小奈生さん  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年 9月 1日(火)22時31分20秒

   ご参加ありがとうございました。

「分別らしき」「アシンメトリー」「認知の歪み」など抽象的概念を持ち込んだ句が楽しかったです。次の順番の由季さんは苦労されたのではないかなあ。  


満尾おめでとうございます  投稿者:瀧村小奈生  投稿日:2020年 9月 1日(火)16時50分34秒

  素敵な連衆のみなさまと座を御一緒できたことに感謝します。ゆかりさま、みなさま、ありがとうございました。  


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