2022年7月9日土曜日

掲示板過去ログ199

 2020年10月20日(火)18時17分39秒から2020年10月27日(火)15時59分11秒まで。




鯊天の巻 ナウ4  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月27日(火)15時59分11秒

   とつかあ太さん、ありがとうございます。謎の三越への固執ですね。三句目は先立たれるか逃げられるかして、かつて妻任せだったせいでしつけ糸を取ることさえ分からないという感じですね。四句目はポケットに手を突っ込まないように塞いじゃったのですね。五句目は校則チェックの体育教師でしょうか。かつて暴力教師全盛だった頃は、ポケットに手を突っ込んでるとその上から出席簿でぶったたかれるのが普通でしたよね。三句目のトホホな感じを頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖

   母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ 焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ

    ひだり手ばかり失くす手袋      子

   ポケットにつきたるままのしつけ糸   槐

    何を買ふにも妻の見立ててで     太


 葉月さん、衣服ではないものがいいです。とはいえ、もう名残裏なので飲む打つ買う方面ではないもので行きましょう。







 

 

 

ナウ4  投稿者:とつかあ太  投稿日:2020年10月27日(火)15時17分4秒

   ひだり手ばかり失くす手袋      子

ポケットにつきたるままのしつけ糸   槐


家族揃つて三越へ行く         太

伊勢丹よりも三越が好き

何を買ふにも妻の見立ててで

癖を直すに元を立たねば

竹刀を持つて校門に立つ

 

鯊天の巻 ナウ3  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月27日(火)09時30分20秒

   槐さん、ありがとうございます。一句目を語順だけ変えて頂くことにします。二句前が動詞で終わっているし、ここで体言止めを避けなくてもいいと思います。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖

   母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ 焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ

    ひだり手ばかり失くす手袋      子

   ポケットにつきたるままのしつけ糸   槐


 とつかあ太さん、お願いします。  

ナウ3再  投稿者:田中槐  投稿日:2020年10月27日(火)00時24分14秒

  焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ

ひだり手ばかり失くす手袋      子


しつけ糸つきたるままのポケットに      槐

缶コーヒー飲みながら待つ東口


頭がうまく働きません。。。

どうでしょうねぇ。。。

 

そうこうしているうちに  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月26日(月)23時54分37秒

  桐子さんから代案を頂きました。差し替えます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖

   母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ 焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ

    ひだり手ばかり失くす手袋      子


 差し替えたものに対して再考頂けますか、槐さん。

 

ううむ。  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月26日(月)23時52分9秒

   槐さん、ありがとうございます。手袋→左利きは付き過ぎだし「上手」で「手」まで出てしまっているのは避けたいです。それから「失くす」に「こぼしてしまふ」とか「つまづきて」というのもネガティブなものが続いてしまうので、もう一句いかがですか。  

ナウ3  投稿者:田中槐  投稿日:2020年10月26日(月)23時36分33秒

        焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ

   さだめのやうに失くす手袋      子


左利きなのに上手な箸づかひ       槐

フリスクをこぼしてしまふ歩道の上(へ)

視覚障害者誘導ブロックにつまづきて


遅くなってすみません。

よろしくお願いします。  

鯊天の巻 ナウ2  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月26日(月)16時21分36秒

   桐子さん、ありがとうございます。姫子というのは姫路市立公園で人々に親しまれた象だったのですね。東京の者が井の頭動物園の花子を亡くしたときのことを思い出します。連句としては二句目を頂くことにします。ただ「よう」が舌足らずなので「やうに」にしたいのですが、「約束」のうまい言い換えはないでしょうか。暫定的に「さだめ」にしますが、これでは演歌ですね(^^);


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖

   母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ 焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ

    さだめのやうに失くす手袋      子


 槐さん、雑でお願いします。

 

鯊天の巻 ナウ2  投稿者:桐子  投稿日:2020年10月26日(月)12時54分53秒

     母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ 焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ


象の姫子の灰色の声

約束のよう失くす手袋

炎が炎うしろから抱き


いかがでしょう?  

鯊天の巻 ナウ1  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月26日(月)11時09分2秒

   ゆらぎさん、ありがとうございます。時の移ろいを感じる四句目を頂きます。いいなあ。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖

   母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ 焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる    ぎ


 桐子さん、お願いします。冬をもう一句くらい行きましょうか。



 

鯊天の巻 ナウ1  投稿者:ゆらぎ  投稿日:2020年10月26日(月)11時00分9秒

  野兎の足跡辿る雪晴を

ウィスキーバーの灯遠く雪しまく

濡れてゐる砂の汀に消える雪

焼却炉に雪は吹き込む燃え上がる


まだ雪が出ていなかったかと…良くなかったら再考します。

 

鯊天の巻 ナオ14  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月25日(日)20時39分45秒

   四羽さん、ありがとうございます。ここで「祀る」だとこの折に宗教的素材が多すぎだし、耳飾りでは月の座にならないので、二句目を頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖

   母さんは帰つて来ない昼の月      羽

    同級生の用を足す音         り

ナウ


 いよいよ名残裏です。あばれどころは終わりです。大団円に向かい粛々と行きます。名残裏は八句で七句目が花の座となります。ゆらぎさん、お願いします。  

鯊天の巻 ナオ13  投稿者:四羽  投稿日:2020年10月25日(日)20時10分51秒

   六道辿り五衰するひと        月

小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

 ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖


月祀る天使はつばさ失えり

母さんは帰って来ない昼の月

三日月の耳飾り揺れ曲馬団


よろしくお願いします。  

鯊天の巻 ナオ12  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月25日(日)16時06分39秒

   火尖さん、ありがとうございます。前句「小雨降る」が上がったものとして一句目を頂きます。見なれないオノマトペですが、たわんだ感が横溢しています。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

    ゆんゆと撓む蜻蛉の空        尖


 四羽さん、月の座をお願いします。


   

ナオ12  投稿者:火尖  投稿日:2020年10月25日(日)15時56分53秒

  六道辿り五衰するひと        月

小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵


ゆんゆと撓む蜻蛉の空

雷声収め泥団子罅


どうでしょうかね。よろしくお願いします。  

鯊天の巻 ナオ11  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月25日(日)14時23分27秒

   媚庵さん、ありがとうございます。仲秋っぽいもので来ましたね。打越が天体では月が出しづらいだろうし、彼岸では付き過ぎのような気もしますので、一句目を頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月

   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵


 火尖さん、秋の句を続けて下さい。その次の四羽さんが月の座です。


 

ナオ11  投稿者:媚庵  投稿日:2020年10月25日(日)13時58分19秒

     いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月


   小雨降る午すぎの野に野菊咲く     庵

   彼岸花圧倒的に咲く彼岸

   複葉機飛びゆく向かふ鰯雲


秋の句にしてみました。いかがでしょうか?  

鯊天の巻 ナオ10  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月25日(日)13時11分2秒

   葉月さん、これは一句目が圧倒的によいでしょう。何句か前の「詩人」と微妙に障るのでひらがなにします。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太

    六道辿り五衰するひと        月


 媚庵さん、お願いします。  

(無題)  投稿者:葉月  投稿日:2020年10月25日(日)12時23分55秒

  六道辿り五衰する人

そんな顔だと感染症に

密降る土地に最後の預言者



どうでしょうか?  

鯊天の巻 ナオ9  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月25日(日)11時35分25秒

   とつかあ太さん、ありがとうございます。前句との関係性では、野宿、失踪、張り込みという感じでしょうか。張り込みを頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐

   吸殻のあれよと貯まる駐車場      太


 葉月さん、打越の「姿は見えず猫の鳴きたり」を捨てて、前句「吸殻のあれよと貯まる駐車場」に違う意味を与えるような付句をお願いします。



 

ナオ9  投稿者:とつかあ太  投稿日:2020年10月25日(日)04時00分8秒

  いち早くユーチューバーになる詩人   子

 姿は見えず猫の鳴きたり       槐


寝そべればAPAのネオンの煌々と   太

二三日閉じたるままのブラインド

吸殻のあれよと貯まる駐車場  

鯊天の巻 ナオ8  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月25日(日)00時36分38秒

   槐さん、ありがとうございます。二句目くらいの遠さがいいでしょう。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子

    姿は見えず猫の鳴きたり       槐


 とつかあ太さん、お願いします。  

ナオ8  投稿者:田中槐  投稿日:2020年10月24日(土)23時32分21秒

  黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

いち早くユーチューバーになる詩人   子


焚き火を映す動画を消して          槐

姿は見えず猫の鳴きたり


よろしくお願いします。

俳句の一番は夏井いつきさんでしたね。



 

鯊天の巻 ナオ7  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月24日(土)21時12分11秒 編集済

   桐子さん、ありがとうございます。一句目を頂きます。谷川俊太郎さんは真っ先にやりそうな気がしますが、実際にはどなただったのでしょうか。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ

   いち早くユーチューバーになる詩人   子


 槐さん、お願いします。


 

鯊天の巻 ナオ7  投稿者:桐子  投稿日:2020年10月24日(土)16時22分52秒

  現役のブラウン管の虹の痕       尖

 シルクロードの蛇にも涙       羽

神々の民そしてまた神の民       り

 黄昏てゆくグローバリズム      ぎ


いち早くユーチューバーになる詩人

USビーフに死海の塩添えて

老松がじわり傾けゆく生家

シャッター通り肉・魚・花のつめたさに


いかがでしょうか?  

鯊天の巻 ナオ6  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月24日(土)14時00分7秒

   ゆらぎさん、ありがとうございます。前句の説明になっても面白くないので、四句目を頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り

    黄昏てゆくグローバリズム      ぎ


 桐子さん、お願いします。  

鯊天の巻 ナオ6  投稿者:ゆらぎ  投稿日:2020年10月24日(土)08時14分36秒

  地球周回しつつ瞑想

リモート授業に倦んで教授は

本地垂迹説の不可思議

黄昏てゆくグローバリズム


夢のなかで3句作ったのですが起きたら忘れていました。

苦渋の4句お送り致します。  

鯊天の巻 ナオ5  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月23日(金)16時10分22秒

   付けます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽

   神々の民そしてまた神の民       り


 ゆらぎさん、夏に戻らないようにお願いします。  

鯊天の巻 ナオ4  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月23日(金)14時14分49秒

   四羽さん、ありがとうございます。ちょっと遠い三句目がいいでしょう。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖

    シルクロードの蛇にも涙       羽


 あ、次は私ではないですか。しばしお待ち下さいませ。


 

鯊天の巻 ナオ4  投稿者:四羽  投稿日:2020年10月23日(金)10時16分41秒

  ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖


極彩色にAIの夢

チャンネル回す昭和の仕草

シルクロードの蛇にも涙


よろしくお願いします。  

鯊天の巻 ナオ3  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)23時44分48秒

   火尖さん、ありがとうございます。一句目、これ、現代俳句としてもすごくいいんじゃないですか。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵

   現役のブラウン管の虹の痕       尖


 虹で夏です。四羽さん、夏を続けるでも捨てるでも。  

ナオ三  投稿者:火尖  投稿日:2020年10月22日(木)23時04分38秒

  ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

   ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵


現役のブラウン管の虹の痕

遠雷に頷く顔を大写し


どうでしょう。よろしくです。  

鯊天の巻 ナオ2  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)22時31分3秒

   媚庵さん、ありがとうございます。うわっ、「42・195キロ」って七七なのですね。三句目を頂きます。風船にちなんだ映画が実在するのでしょうか。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月

    ハーポ・マルクス笑ひとまらず    庵


 火尖さん、お願いします。  

ナオ2  投稿者:媚庵  投稿日:2020年10月22日(木)22時20分26秒

     花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

   風船を馬鹿正直に追跡す        月


    42・195キロ          庵

    38度線さえ越えて

    ハーポ・マルクス笑いとまらず


いかがでしょうか。

 

鯊天の巻 ナオ折立  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)22時00分10秒

   葉月さん、ありがとうございます。陸軍記念日は三月十日ですが、連句の場合、同季の中では時間が逆行してはいけないのです。あと、花の座というものがありますので、そうでないところでサクラ系は出さない方がいいでしょう。あと、前句が「蜂の巣」なので、「雀の子」とか「春の蝿」とか似たものを出すのもはばかられます。といことで、五句目を頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ 風船を馬鹿正直に追跡す        月


 媚庵さん、春を離れて雑でお願いします。  

ナオ  投稿者:葉月  投稿日:2020年10月22日(木)21時06分17秒

  有楽町線地下街に雀の子

法満ちて夜の陸軍記念日

春の蝿身を尽くすべき歌ありや

桜まじ美しき子に手を預け

風船を馬鹿正直に追跡す


どうでしょうか?  

鯊天の巻 三ウ折端  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)20時08分58秒

   とつかあ太さん、ありがとうございます。三句目がいちばん前句が生きるでしょう。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐

    駆除班を待つすゞめ蜂の巣      太

ナオ


 名残表です。あばれどころはまだまだ続きます。制約としては十三句目が月となるだけです。葉月さん、春の句を続けて下さい。「春」の字を含まない晩春っぽいものがよいです。


 

三ウ折端  投稿者:とつかあ太  投稿日:2020年10月22日(木)19時47分36秒

   念のため遠ざけるデンモク      子

花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐


募集せざるも募る佐保姫 太

春の暖炉へ焼べる思ひ出

駆除班を待つすゞめ蜂の巣

こんなところに雉の啼く声


 

鯊天の巻 三ウ13 花  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)19時01分48秒

   槐さん、ありがとうございます。文字化けの句を頂きたいのですが、花の座は「花」の字が必須なのでちょっと直します。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子

   花の夜をKEEP OUTのテープの黄 槐


 とつかあ太さん、春の句を続けて下さい。

 

ミウ13  投稿者:田中槐  投稿日:2020年10月22日(木)18時29分9秒

      竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子


花見から花見へ渡る演歌歌手   槐

?テープの貼られて現場桜の夜

後頭部に殴打の痕や八重桜


カラオケよりは凶器のほうに連想が…

よろしくお願いします。  

鯊天の巻 三ウ12  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)15時59分13秒

   桐子さん、ありがとうございます。過激ですね。ただ打越が「酔ひの横丁」なので、熱燗やビール瓶ではないほうがいいでしょう。四句目を頂きます。デンモクも凶器になりそうですね。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ

    念のため遠ざけるデンモク      子


 槐さん、花の座をお願いします。どうやってデンモクから来るんだろう。  

鯊天の巻 三ウ12  投稿者:桐子  投稿日:2020年10月22日(木)15時22分27秒

  メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

 元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ


 「別に」「別に」へ冷める熱燗

 これっぽっちじゃ足りない辛子

 帰りの駅で友達削除

 念のため遠ざけるデンモク

 ガードレールで割るビール瓶


考えているうちにどんどん激しくなってきました。

どの辺がよろしいでしょうか?


 

鯊天の巻 三ウ11  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)11時23分16秒

   ゆらぎさん、ありがとうございます。竹輪麩は関東にしかないとも聞きますが、関東人の私にはそんなに美味しいものだとも思えません。そんなローカルフードを頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り

   竹輪麩がおでんにないと不機嫌に    ぎ


 「おでん」で冬が出たので、花の座で春に戻れます。桐子さん、雑でも冬でも春でも。桐子さんの次の槐さんが花の座となります。

 

鯊天の巻 三ウ11  投稿者:ゆらぎ  投稿日:2020年10月22日(木)10時54分5秒

  竹輪麩がおでんに無いと不機嫌に

折れ葱の端が出てゐるレジ袋

立つて食ふ鯛焼ほんの少しづつ

物陰にマッチを擦れば枯葎


冬にしてみました。よろしくお願い致します。  

鯊天の巻 三ウ10  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月22日(木)00時14分24秒

   では、よよよっと付けます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽

    元の名で呼ぶ酔ひの横丁       り


 ゆらぎさん、お願いします。十三句目が花の座なので、いったん夏か冬にして下さい。  

鯊天の巻 三ウ9 月  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月21日(水)21時59分16秒

   四羽さん、ありがとうございます。メーデーの句が面白いでしょう。労使関係なのか、客引きなのか、愛の告白なのか…。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖

   メーデーの月が綺麗ですね社長     羽


 わ、次は私ではないですか。しばしお待ち下さい。



 

鯊天の巻 三ウ9  投稿者:四羽  投稿日:2020年10月21日(水)19時33分53秒

      釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖


逆立ちの教師を濡らす春三日月

メーデーの月が綺麗ですね社長

春月と地球に心裂かれしか


ここに来て難題ですね~

いかがでしょうか。  

鯊天の巻 三ウ8  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月21日(水)15時45分2秒

   火尖さん、ありがとうございます。すごいな、八十八夜が五月二日ごろ、穀雨が四月二十日ごろで、もうひとり春の句を続けるのに鬼のようです。ところで鳩居堂を検索したのですが、京都本店の改修のための仮店舗というのが確かに切妻屋根なのですが、本店そのものがどうなのかがなんだかよく分かりませんでした。二句目を頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵

    穀雨の紙を選る鳩居堂        尖


 四羽さん、前句の火尖さんがいけずなことをやらかしていますが、四月二十日以降の雰囲気で春の月をお願いします。初折裏九句目ですでに「朧月」が出ているので、別のもので、ご健闘下さい。



 

三ウ8  投稿者:火尖  投稿日:2020年10月21日(水)07時46分48秒

    釘を使はず柱を組んで        月

  切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵


八十八夜鳩居堂行く

穀雨の紙を選る鳩居堂



おまたせしました!

 

鯊天の巻 三ウ7  投稿者:ゆかり  投稿日:2020年10月20日(火)18時17分39秒

   媚庵さん、ありがとうございます。春の季語は頂いた「春の闇」「春の暮」以外でも「春炬燵」とか「春ショール」とか「春泥」とか「春」の字と結びついて無理矢理季語に仕立てたようなものが多く、しかも花の座というものがあるから、連句では非常に扱いづらいですよね。すでに二の折裏の五句目に四羽さんの「丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ」があるので、ここは「春」の字を避けたいところです。三句目を頂きます。


   鯊天の朱字に惹かれて引戸かな とつかあ太

    黙々と呑む関取の背       ゆかり

   犬が行き荷車が行き秋深み      媚庵

    通りすがりにふれる楠       桐子

   羚羊ら裸婦の如きに怠けたる     四羽

    ぐるぐる回る磁石の針が     ゆらぎ

   指し示す立待月の三陰交       葉月

    十日の菊を出窓に飾る        槐

ウ  色鳥に紛れ散髪してゐたり      火尖

    アニメ声なるラジオDJ       太

   大陸の帽子でガラス越しに笑む     り

    復員兵は瀬島龍三          庵

   満水のダム湖にねむる綴じ暦      子

    陸の蛸ならジルバが得意       羽

   枕絵の女となつてまなこ閉づ      ぎ

    甘き誘ひの開く口元         月

   ガルウイングのベンツの抱く朧月    槐

    野焼き帰りの貌の男等        尖

   花守と呼ばるるにまだ若すぎて     太

    戦を知らぬ長き髪の毛        り

   汗吹きてざくざくと行く羅生門     庵

    顎までずらすガーゼのマスク     子

二オ 大統領咳のはづみにポチッとな     羽

    「いいね」ひとつに怯む総書記    ぎ

   兄上と呼ばれ背筋を駆けるもの     月

    ろくろつ首の抜衣紋へと       槐

   折紙の余りに折紙の匂ひ        尖

    風やはらかく揺るるカーテン     太

   木洩れ日に窓といふ窓開け放ち     り

    三年生が吹くリコーダー       庵

   ありふれた写真を流れ出るボレロ    子

    裸足のままで走る国道        羽

   御百度のさなかに猿が乱入し      ぎ

    バッハ会長夢見るやうに       月

   聖火台に聖火こほらせ月のあを     槐

    皆がやさしく磨く猟銃        尖

二ウ 均等に切り分くることなら得意     太

    巴里から届く手紙数通        り

   黄砂降り不破写真館閉館す       庵

    蒲公英色の初代ビートル       子

   丸眼鏡拭いて悪役春惜しむ       羽

    やがて薬の効いてくる頃       ぎ

   身に着ける学校指定の網タイツ     月

    負けてばかりのジュースじやんけん  槐

   月もろき夜のプールに忍び込み     尖

    尾崎豊は友の後輩          太

   恐るべきアンチエージングの秘術    り

    ステンドグラスごしののどけさ    庵

   花ひとひら水のひかりへためらはず   子

    風炎の日の谷の泣き声        羽

三オ 誰ぞやの服の掛けある落し角      太

    鉄の掟と鋼の心           月

   母に憑くおキツネ様を燻し出し     庵

    以後千年は水を打つべし       尖

   さざれ石巌と為らずタピオカに     羽

    右に左にかはす急坂         り

   疎ましき求婚者たち髯の伸び      ぎ

    実習生の握るカミソリ        子

   かほの傷かくしつつゆく朝帰り     槐

    チャージ不足に開かぬ改札      太

   またしても取り残されて涼あらた    月

    運動会のピストルの音        庵

   天地の硬きに月といふ響き       尖

    ソイレントグリーンで乾杯      羽

三ウ 近未来小説よりも長生きす       り

    南柯の残夢蟻の巣に蟻        ぎ

   一人また一人と欠ける列にゐる     子

    ボーイズラブも老け専にして     槐

   親方に手とり教はるかんな掛け     太

    釘を使はず柱を組んで        月

   切妻の屋根の彼方に鳥帰る       庵


 火尖さん、春の句を続けて下さい。もし植物を出すなら、ここは花の座ではないので「花」の字や桜類以外でお願いします。梅とか椿とか辛夷とか、日ごろ花の座に気兼ねして出せないようなものをここぞとお願いします。その手のものだと二の折裏四句目で「蒲公英」が既出です。植物じゃない方がいいかも。

 


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