2022年7月9日土曜日

掲示板過去ログ166

 2019年 2月 8日(金)09時10分29秒から2019年 2月21日(木)15時01分11秒まで。




春雨 五句め案  投稿者:遊凪  投稿日:2019年 2月21日(木)15時01分11秒

   早足で淡き残月追ひかける   遊凪

 畑まで残月を背に向かひたり


皆様初めまして、私、遊凪(ゆうなぎ)と申します。

ゆかりさまからお声を掛けて戴きましたので、のこのこと出て参りました。

今日はたまたま早く出てきましたが、通常は遅く、場合によっては二三日

かかる場合もありますので、ご容赦願います。

どうぞよろしくお願い致します。≧^_^;≦

 

 

 

春雨 四  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月21日(木)12時00分36秒

   媚庵さん、ありがとうございます。これは二句目がいいでしょう。


      春雨や剥けば魚肉のやはらかさ    凱

    折檻のごと恋猫のこゑ     ゆかり

   朧夜の香のたちのぼる水辺にて   青猫

    乗り捨てられた四輪駆動     媚庵


 ここまで文語で進行してきたものが四輪駆動といういかにも無作法なものにより打ち破られました。ここは「乗り捨てられし」にしない方がよいでしょう。また、下七の四三禁忌も打ち破られました。気にせず行きます。


 月の座は遊凪さんをお誘いしました(じつは面識がないのですが、引き受けて頂きました)。打越が「朧夜」なのでやりにくいとは思いますが、よろしくお願いします。


 ついでに青猫さんがいるので、朔太郎ネタで雑談です。『月に吠える』に「天景」という詩があります。厳格な七五調で書かれたこの作品において「しづかにきしれ四輪馬車」は「しりんばしゃ」と読まれるわけですが、当時の一般社会においては「しりん」だったのか「よんりん」だったのか、どっちなんでしょうね。ちなみに日本国語大辞典精選版には西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六「四輪(シリン)の馬車に泰然と駕し」という用例を載せています。



 

春雨 第四  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月21日(木)11時20分45秒

        春雨や剥けば魚肉のやはらかさ    凱

    折檻のごと恋猫のこゑ     ゆかり

   朧夜の香のたちのぼる水辺にて   青猫


     アール・デコ風洋館静か    媚庵

     乗り捨てられた四輪駆動


いかがなものでありましょうか?お捌き下さい。  

春雨 第三  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月21日(木)02時30分10秒

   青猫さん、どうも。

一句目…発句が「剥けば」なので「ただよえば」でないほうがよいでしょう。

二句目…昼が霞で夜は朧だとはよく聞きますが、陽炎も同じ水系なのでシンプルに朧で行きます。別案で、夜なので目には見えませんが陽炎のように香りが立つ水辺に私はいます、というふうにしようかとも思ったのですが、前句も直喩なのでそちらは断念しました。


   春雨や剥けば魚肉のやはらかさ    凱

    折檻のごと恋猫のこゑ     ゆかり

   朧夜の香のたちのぼる水辺にて   青猫


 発句「春雨」に「水辺」ですかという向きもあるかと思いますが、景が戻っているわけではないので、これで行きます。


 媚庵さん、雑でお願いします。





 

第三  投稿者:青猫  投稿日:2019年 2月21日(木)01時00分42秒

  あらら、第三でした。


  ただよえば二月の背骨軋みいて


  かげろうの失せし夜の香水辺にて  

第三  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月20日(水)20時38分54秒

   青猫さん、こんばんは。今回もよろしくお願いします。ええと、脇は二句目のことで、青猫さんは第三です。

 ええと、発句と脇が孤独な男性の暮らしぶりという趣なので、「であいがしら」とか「おばさま」とかのような人事からは離れて叙景で行きませんか。もう二三句お願いします。

 

て止め  投稿者:青猫  投稿日:2019年 2月20日(水)19時42分49秒

  こんばんは。また、よろしくお願いします。脇は荷が重い(ドキドキ)・・・


  地下街のであいがしらのうららにて


  おばさまはうすべにいろの蝶といて  

春雨の巻 脇  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月20日(水)00時40分48秒

   凱さん、いらっしゃいませ。一巻終わるまでよろしくお付き合い下さいませ。

ここの掲示板、環境依存文字は駄目みたいなので、使える字にあらためさせて頂きます。


   春雨や剥けば魚肉のやはらかさ   凱

    折檻のごと恋猫のこゑ    ゆかり


 第三は「て止め」で春の句を続けて下さい。花の座ではないので、植物でないほうがよいです。あと、発句が「春雨」なので「春の○○」とか「春○○」とかは避けて下さい。

 ちょっと人さらいして来ます。

 

発句  投稿者:凱  投稿日:2019年 2月19日(火)23時28分6秒

  春雨や?けば魚肉のやはらかさ


皆さんはじめまして、大塚凱です。

よろしくお願いします。  

さて  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月17日(日)13時43分2秒

  そろそろ次の巻へ行きましょうか。とある「みしみし」未登場のかたに発句を打診中です。  

「五吟歌仙 寒月の巻」評釈4  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)22時53分48秒 編集済

  最後です。

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    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ


 名残裏折立である。ここからは節度をわきまえ進行する。喫茶店だろうか。前句の「岩波文庫」を読むのだろう。


ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り


 折しも窓の外では雨が降り出し、通行人の傘が次々開く。


    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   ゴム長の五歳にもどる夢を見て     貴


 前句を夢の中のできごととして、五歳の自分とした。


   ゴム長の五歳にもどる夢を見て     貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵


 五歳が観るようなアニメだろう。ディズニーの『白雪姫』の魔女あたりか。


    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵

   千年の花の間近にパイプ椅子      な


 花の座である。こう付けると前句の魔女が千年以上の長寿で、魔法により千年間桜を咲かせ続けたような気がしてくる。もうよぼよぼなので、魔法をかけるときはパイプ椅子を出してくるのである。


   千年の花の間近にパイプ椅子      な

    春たけなはの宴のはじまり      こ


 キャパ以上に人が集まりパイプ椅子を出しての宴が始まる。めでたい景で挙句としている。  

「五吟歌仙 寒月の巻」評釈3  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)21時50分28秒

  続きです。

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    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵


 名残表折立である。あばれどころはまだまだ続く。「念者」は男色の関係で、若衆を寵愛する側の人。「涼しき」が弟分で、「にほひたつ」のが兄分ということだろう。ここから衆道の恋。


ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な


 ほどいた帯の乱れたさまを詠んでいる。


    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ


 他言無用ということだろう。ここまでが恋。


   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り


 前句を野球のサインだととりなしている。


    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴


 大失態を並べ転じている。


   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵


 銀の靴の主を略奪したのだろうか。このあたり、あばれどころだけにあわただしく場面を転じる。


    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な


 初折裏折端以来ずっと無季であったが、ここで冬としている。


   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ


 雪の白から「色は匂へど」が導かれ、言葉遊びは「ち」までまたがる。乳母に養育を託され乳が止まらない高貴な女性だろうか。


    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り


 前句「乳の溢れて」は牛かなにかのようである。飼料の干草を犬が飛び越えている。


   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴


 前句「飛び越え」は跳躍ではなく吹き飛ばされていたようである。月の座の前で秋としている。


    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵


 静寂を打ち破り軍靴の足音が響く。「月光」「石畳」「軍靴」と硬質なものを配している。


   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な


 「遺品あり岩波文庫『阿部一族』 鈴木六林男」を踏まえたものだろうか。しかしながら「案山子の服に」は論理を超えた飛躍がある。

 

あれっ?  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)21時20分31秒

   そんなに厳しい愛のダメ出しをしたかなあ…。前回の風牙さんとか今回の登貴さんとか、ぜんぜんご一緒したことがない方が加わると、捌き人がいつになく燃えるということだと思います。こういう捌き人は火曜日にゴミに出して下さい。  

祝・満尾  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月14日(木)20時59分15秒

  出遅れましたが、満尾おめでとうございます。

今回は厳しい愛のダメ出しを受け、いくたびも涙を流しました。


「世の中ブラッドベリの読者ばかりではない」というお捌きの言、感銘深く肝に銘じました。  

「五吟歌仙 寒月の巻」評釈2  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)14時12分10秒

  続きです。

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    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り


 初折裏折立である。ここから名残表折端までの二十四句はあばれどころとなる。前句「記憶にはなき」に対し、記憶にあるものとして「華麗なる大円舞曲」を聴いていたら針が飛んだことにした。三句続いた秋を離れている。


ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲のおいらん       貴


 前句の音声情報に対し、視覚になにか問題があることをほのめかしている。ここから恋の句である。


    目薬を買ふ仲のおいらん       貴

   三畳にレースの下着吊るされて     庵


 花魁とは名ばかりの娼婦のヒモの視線なのだろうか。せまい部屋に無造作に下着が干されている。なかなか凄惨である。


   三畳にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な


 プレゼントなのだろうか。紙袋よりサボテンの棘が覗いている。


    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ


 このあたりまでが恋。ちょっとした行き違いで破局に向かう。漢字での遊びとなっている。前句「サボテン」が夏の季語なので、夏の月を出すとすればこのあたりだが、発句が「寒月」なので夏の月は出さないものとした。


   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り


 「祝」と「呪」の右である「兄」は妙に脚が長いので「火星人めく」としたが、そのままでは面白くないので「妹」とした。火星人の兄の妹はやはり火星人だろう。


    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴


 「火星人めく」から「赤貝の紐」が導かれている。赤貝は春の季語。


   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵


 春が出たので春の句を三句以上続ける必要があるが、花の座まではだいぶあるので素春(=花の座を含まない春)とすることとし、逆に花の座を意識すると使いにくいものとして「タンポポ」とした。なお、レイ・ブラッドベリの読者であれば『たんぽぽのお酒』に気づき、『火星年代記』があるから打越ではないかと言うであろうが、世の中ブラッドベリの読者ばかりではないのでよしとした。


    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な


 『たんぽぽのお酒』から「少年」が導かれているのであろうが、長句全体を使って主語にしかなっていない遣り句である。三十六句の中にはそういう句もありだろう。春の句はここまで。


   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ


 前句の主語を用い、日の傾いた印象的な景としている。「夕さり」という古いことばが効いている。


    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り


 初折裏折端前は花の座であるが、すでに春ではないので「花」の字のみを用い「花嫁」とした。前句「影の大きく伸びる」の手前に光源である「燭の火」を配している。


   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴


 前句のある種おどろおどろしい景を離れ、涼しげに転じている。  

「五吟歌仙 寒月の巻」評釈1  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)13時17分56秒

   しばらく評釈のようなものを小出しにアップしますが、感想、差し替えなどは気にせず投稿して下さい。

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「五吟歌仙 寒月の巻」評釈


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ


 起首は2019年1月21日(月)。国立天文台のサイトによれば月齢15.1、月の出17:01。上ったばかりの月は屈折の関係で巨大に見える。連句には月の座というものがあるが、そんな巨大な満月を目の当たりにしたらお構いなしに発句にするしかないだろう。のちのちいろいろなことを引き起こすだろうが、それはのちのち考えればいいことだ。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり


 発句の「家路」を受け、脇は夕食の献立とした。煮立つにつれ、おでん種もふくらんでゆく。「強」に若干のいたずら心があるが、そんな挨拶も許されるだろう。


    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴


 第三は発句と脇の挨拶から離れ飛躍する。前句の鍋の泡立ちから海の底に思いを馳せている。「わたつみ」「そこひ」という古語のニュアンスと「らん」が効いている。なお、発句の中で「ふくらみて」と、「て」が使われているので、ここでは第三によくある「て止め」を回避している。


   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵


 前句の深海の暗いイメージに対し、白昼の港町の教会を遣り句的に置いている。次が月の座なので秋の句としている。


    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな


 月の座であるが、発句に「寒月」があるので敢えて「月」の字を出さず、「十六夜」としている。前句の教会は破壊されたのだろうか。月下にステンドグラスの欠片がきらめいている。


   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ


 破壊に記憶はつきものであるが、敢えて記憶にないものを挙げている。ここで初めて音声的な情報が登場する。なお、「寒月の」「おでんの」「わたつみの」と「の」が続いてしまうことについてこの辺りで意見があり、では全部「の」を入れようではないかということになる。『アリババと四十人の盗賊』で、盗賊がドアに目印をつけたことに気づいた召使いのモルギアナが、街のすべてのドアに目印をつけ、それにより盗賊はどの家だか分からなくなった。それにあやかり瑕疵を全部の句に施し、分からなくしてしまおうという狙いであり、この座では戯れに「モルギアナ方式」と呼んでいる。

 

満尾、おめでとうございます☆  投稿者:あんこ  投稿日:2019年 2月14日(木)12時41分19秒

  ゆかりさん、皆さん、今回ありがとうございました。

窓際がダブってごめんなさい(-_-;)

久しぶりに参加しましたが、忘れていることばかりで、

出して安心していたらすぐにまた回ってきて、「もう!?」とあわあわばかりでした。

でも、俳句とは作り方や言葉など脳の違うところが刺激されて、

どう展開するかライブで楽しめ,面白かったです。

お世話になりました。


 

あちゃ~  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)11時33分13秒

   なるほど。ウ3に「窓際にレースの下着吊るされて 庵」がありナウ折立に「窓際の席と決めたる日曜日 こ」があるのですね。これは避けたいですね。

 ウ3を「三畳にレースの下着吊るされて 庵」とします。もっと広いのかな。


     五吟歌仙 寒月の巻


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲のおいらん       貴

   三畳にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   ゴム長の五歳にもどる夢を見て     貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵

   千年の花の間近にパイプ椅子      な

    春たけなはの宴のはじまり      こ


起首:2019年 1月21日(月)

満尾:2019年 2月13日(水)

捌き:ゆかり

 

了解しました?  投稿者:登貴  投稿日:2019年 2月14日(木)11時15分23秒

  開く傘が保育所の前という感じでつけたので

長靴がなくてもいいかと思ったのですが

ゆかりさんがおっしゃるならそちらでお願いいたします。


ところで、窓際は懐紙が違うのでOKですか?

実は窓際二回出てるので、靴もいいのかなと出したのでした。

折りも違うし、って感じで。申し訳ありません。  

ううむ  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)10時17分23秒

  五歳児が言う言わないよりも、まず前句「傘」から導かれていたはずなので、長靴的要素は残したいですし、ゴム長/五歳という頭韻も気に入っているので、ここはゴム長で行かせて下さいませ。次句でテレビに飛ぶのも、五歳児にとっての鉄腕アトムっぽいし。  

あ  投稿者:登貴  投稿日:2019年 2月14日(木)10時11分21秒

  「おかっぱ」→「女子」→「魔女」

と、つきすぎるようでしたら


かりあげの五歳にもどる夢を見て


なんかもありかしら。  

満尾おめでとうございます  投稿者:登貴  投稿日:2019年 2月14日(木)10時04分42秒

  ゆかりさん、みなさん

たのしい歌仙ありがとうございました。

モルギアナ方式やら素春やら、めくるめく体験でした。

「靴」重なり、失礼しました。

ゴム長でもいいのですが、五歳児があんまり言いそうにないので


おかつぱの五歳にもどる夢を見て


なんかは、いかがでしょうか。  

祝満尾!  投稿者:なかやまなな  投稿日:2019年 2月14日(木)09時07分27秒

  ありがとうございました。

今回の「の」縛りに救われたり苦しめられたり。何気なく「の」を使っていることを再認識。あと、「の」のおかげで長句で烏滸がましくも短句の主語を作っていただなんて!!という発見をしました。

発句の「寒月」から月を直接詠まないというのも面白かったです。

みなさん、ほんとうにありがとうございました。  

ありゃ  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月14日(木)01時32分48秒

  軍靴と長靴がありますね。後者、ゴム長にしましょうか。  

寒月の巻 満尾  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月13日(水)23時02分21秒

  あんこさん、ありがとうございます。体言止めで終わりたいので二句目を「うたげ」ではなく「エン」と読むことにして頂きます。三句目はパイプ椅子で襲いかかりゴングが乱打される感じがしますね。挙句コールが場内の雰囲気を異様にしてしまったか…。

 あと登貴さんから申告があり、初折裏二句目の「花魁」はひらがなとします。花の座をフィーチャーする目的です。


     五吟歌仙 寒月の巻


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲のおいらん       貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵

   千年の花の間近にパイプ椅子      な

    春たけなはの宴のはじまり      こ


起首:2019年 1月21日(月)

満尾:2019年 2月13日(水)

捌き:ゆかり


 これにて満尾とします。連衆の皆様、ありがとうございました。四三調のことなどディープな話題もまじえ楽しかったです。あと、ぐみさん、読んでいたら次回はちゃんと参加して下さいね。

 では微修正の申告含め、しばしご歓談下さい。





 

ナウ挙句  投稿者:あんこ  投稿日:2019年 2月13日(水)21時48分6秒

   テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵

千年の花の間近にパイプ椅子      な


風船あまた空へ飛び立ち  こ

春たけなはの宴はじまり

総立ちとなり春光の中


お捌き、お願いします。

 

ナウ花  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月13日(水)00時27分27秒

   ななさん、ではパイプ椅子にします。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵

   千年の花の間近にパイプ椅子      な


 あんこさん、挙句をお願いします。春のおめでたい句です。助詞「の」は入れて下さい。

 掛布コールの感じで、挙句!挙句!挙句!挙句!…  

ナウ花  投稿者:なかやまなな  投稿日:2019年 2月13日(水)00時21分40秒

  ゆかりさん


千年の花の間近に○○○椅子


ドラム椅子、パイプ椅子、アームチェア。

パイプ椅子推しではありますが。  

ナウ花  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月13日(水)00時05分41秒

  千年の花の間近に○○○椅子


にしたい気も。ななさん、よいアイデアはありませんか。  

ナウ花  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月13日(水)00時02分34秒

   ななさん、ありがとうございます。

一句目…これだと花が主人公にならないですね。

二句目…打越が「て止め」なので語尾をかえた方がいいでしょう。変えます。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵

   千年の花の間近に椅子を置く      な


 あんこさん、挙句をお願いします。春のおめでたい句です。助詞「の」は入れて下さい。  

ナウ5  投稿者:なかやまなな  投稿日:2019年 2月12日(火)23時16分39秒

  長靴の五歳にもどる夢を見て      貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵


発熱のひつきりなしに花の雲       なな

千年の花の近くに椅子置きて


お捌きお願いします。  

ナウ4  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月12日(火)22時49分42秒

   媚庵さん、ありがとうございます。三句前に「窓際」があるので一句目はやめておきましょう。二句目と最初の二句目だったら、どっちかなあ。あとの二句目を頂くことにします。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴

    テレビ画面に魔女の鉤鼻       庵


 ななさん、花の座をばしっと決めて下さい。

 

ナウ4  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月12日(火)22時40分35秒

        窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴


    お菓子の家の窓のマシュマロ     庵

    テレビ画面に魔女の鉤鼻


再考いたしました。お捌きください。

 

ううむ  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月12日(火)15時31分59秒

  媚庵さん、ありがとうございます。熟考したのですが、駄目出し致します。

一句目…初折に「記憶にはなきかりがねのこゑ こ」があるので、違うほうがいいでしょう。「こゑ」だけでなく通い合います。

二句目…異論もありましょうが、「と」による並列が一句の中での二物衝撃とも言え、避けたいです。だってそういう夢なんだからしょうがねえじゃねえか、とも言え、悩ましいのですが…。


もう何句かお願いできますか。  

ナウ4  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月12日(火)14時46分55秒

     窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴


    恋猫のこゑ不思議でならぬ      庵

    母の笑顔と海猫渡る海


時間を明けてしまい、失礼しました。

如何でしようか。  

わお  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月12日(火)11時53分10秒

   登貴さん、寒稽古というと早朝から滝に打たれたりするのでしょうか。よくご無事でお帰りになりました。ブログのご紹介ありがとうございます。宗祇は髭で馬を乗りこなせる人だったのですね。

 小西甚一先生の『宗祇』(日本詩人選16 筑摩書房 1971年)は結局古本屋に同じものを注文しました。小西先生に現代語で重複/間隔/連続と言われると、あらためてどきっとします。


(一)重複の制限

(二)間隔の制限

(三)連続の制限


(一)重複の制限は百韻の中で何回同じ語を使っていいかです。

(二)間隔の制限は、同じ語を何句離せば使っていいかです。「去嫌」(さりきらい)のことですが、あらためて間隔の制限とすかっと言われるとざわざわします。

(三)連続の制限は、春、秋、恋は五句以下とか続けていいものの制約です。


 ちなみに「みしみし」では(一)(二)について語ごとに意識することは行っていません。改めて伝統的な式目の煩雑さを思います。

 他に地(じ)-文(もん)とか体(たい)-用(ゆう)とか初めて見る概念もあります。


地(じ)…もともと織物についていわれる語で、素地。

文(もん)…同じく模様。


体(たい)…本来的・固定的なもの。水辺の体なら海・浦・江・沼・川・泉など。

用(ゆう)…付随的・可動的なもの。水辺の用なら波・水・氷・潮・氷室・清水が下(もと)など。


 地(じ)-文(もん)の概念は、句集の編纂にも言えそうで、要はめりはりのことです。地があるから模様が目立つ、俳諧なら遣り句があるからそうでない句が目立つという考え方ですね。こてこてでは駄目なのです。


 ということなどに認識をあらたにしながら読み進めています。  

宗祗の像  投稿者:登貴  投稿日:2019年 2月12日(火)07時21分5秒

  ゆかりさん


宗祗に興味をもっていただきありがとうございます。

昨日たまたま宗祗生誕地とされる(複数説あり)近江の能登川に俳句の寒稽古に行ってきました。

会場に向かう途中に宗祗さんの彫像があります。近年作られたものですが、お馬さんに乗っててかわいい像なのです。

いつもバスの車窓から見るので、写真に撮れないのですが、Webに詳しいブログがありました。ご参照ください。


https://blogs.yahoo.co.jp/katuradakaizan/13603869.html  

宗祇  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月11日(月)10時34分43秒

   ちょっと前に登貴さんにご紹介頂いた宗祇の水無瀬三吟について、小西甚一先生の『宗祇』(日本詩人選16 筑摩書房 1971年)に詳しい評釈があるのを図書館で見つけました。連歌そのものへの解説にも膨大なページを割いています。熟読します。  

ナウ 3  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月10日(日)12時16分28秒 編集済

   登貴さん、ありがとうございます。一句目がいいなあ。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り

   長靴の五歳にもどる夢を見て      貴


 媚庵さん、雑か早春でお願いします。媚庵さんの次のななさんが花の座です。助詞の「の」は入れて下さい。あ、チコちゃんは禁止します。  

ナウ 三  投稿者:登貴  投稿日:2019年 2月10日(日)08時04分34秒

  長靴の五歳にもどる夢を見て

しりとりの終はらぬうちにお迎へ来

幼稚園バスの黄色が折り返し


よろしくお願いいたします  

ナウ 2  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月10日(日)00時43分41秒

   あんこさん、ありがとうございます。一句目のリセット感がいいでしょう。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ 窓際の席と決めたる日曜日       こ

    つぎつぎ開くゆふぐれの傘      り


 登貴さん、雑でお願いします。

 

ナウ1  投稿者:あんこ  投稿日:2019年 2月10日(日)00時09分48秒

  野分吹き過ぎ静寂の街        貴

 月光の石畳踏みゆく軍靴      庵

案山子の服に岩波文庫        な


窓際の席と決めたる日曜日

電柱の風に震へる貼り紙の

鞄からスマートフォンの唸る音


お捌き、お願いします。  

ナオ 折端  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月 9日(土)14時50分17秒 編集済

   ななさん、ありがとうございます。前句が「石畳」なので、そうでない場所を想起させる付句は駄目出ししたいところなのですが、「遺品あり岩波文庫『阿部一族』 鈴木六林男」を踏まえたであろう二句目を頂きます。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

    案山子の服に岩波文庫        な

ナウ


 さて、名残裏折端です。暴れどころは前句までです。お酒もつまみもなくなったので、ここからはしらふで行きます。あんこさん、秋を離れてお願いします。助詞「の」は入れて下さい。  

ナオ12  投稿者:なかやまなな  投稿日:2019年 2月 9日(土)12時27分15秒

  野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵


落ち穂拾ひの舌を鼓に       なな

案山子の服に岩波文庫

譲るひとなき団栗の独楽


お捌きお願いします。

 

ナオ11 月  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月 8日(金)23時31分48秒

   媚庵さん、ありがとうございます。一句目を頂きます。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴

   月光の石畳踏みゆく軍靴        庵


 ななさん、秋の句を続けて下さい。四つ足動物は出過ぎたので以後禁止とします。助詞「の」は入れて下さい。  

ナオ11  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月 8日(金)23時21分55秒

        干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴


      月光の石畳踏みゆく軍靴        庵

   月明の路上軍靴の群れが行く

   真夜中の月差す路上猫と犬


類想ではありますが、如何でしょうか。

     

再考  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月 8日(金)22時34分16秒

  しばし考えてみます。  

ううむ  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月 8日(金)22時32分14秒

   媚庵さん、ありがとうございます。

一句目…「馬賊」以来ひなびた句が続いていたのをせっかく登貴さんが「街」に転じてくれたので、「虚無僧」でない方がよいでしょう。


二句目…「ももんがあ」はムササビですから冬の季語なので、秋の月にはそぐわないと思います。


三句目…「街」感はあるのですが、万感の月の座で月を沈めちゃいますか。むしろ高速入口への上り勾配の先に月天心があるような感じになりませんか。  

ナオ11  投稿者:媚庵  投稿日:2019年 2月 8日(金)22時03分18秒

        干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴


   月天心虚無僧の笠重ければ       庵

   月光の差す白壁にももんがあ

   高速の出口の彼方月沈む


お待たせしてしまい、失礼しました。お捌きください。  


ナオ10  投稿者:ゆかり  投稿日:2019年 2月 8日(金)09時10分29秒

   お登貴さん、ありがとうございます。二句目が付き具合として面白いと思います。前句の犬、跳躍じゃなくて吹き飛ばされていたんか、という…。


   寒月のふくらみてゆく家路かな   あんこ

    おでんの種のふたり分強     ゆかり

   わたつみのそこひに泡の生まるらん  登貴

    残暑の港町の教会         媚庵

   十六夜のガラスの欠片集めゐて    なな

    記憶にはなきかりがねのこゑ     こ

ウ  針飛びの華麗なる大円舞曲       り

    目薬を買ふ仲の花魁         貴

   窓際にレースの下着吊るされて     庵

    紙袋よりサボテンの棘        な

   祝と呪の右は同じと囁かれ       こ

    火星人めく妹の脚          り

   赤貝の紐に塗り箸先細き        貴

    一息に飲むタンポポの酒       庵

   山羊の毛と羊の毛刈る少年の      な

    影の大きく伸びる夕さり       こ

   燭の火の揺れて花嫁しづしづと     り

    涼しき縁に書きかけの経       貴

ナオ 薩摩琵琶さらふ念者のにほひたつ    庵

    ほどきし帯の柄の逆しま       な

   くちびるへ人差し指のやはらかく    こ

    スクイズせよのサイン見落とす    り

   ステージに残されてゐる銀の靴     貴

    馬賊が走る満州の原         庵

   降るたびに雪の礫を作りたる      な

    いろはにほへと乳の溢れて      こ

   干草を飛び越え犬の胴長し       り

    野分吹き過ぎ静寂の街        貴


 媚庵さん、万感の月の座をお願いします。発句が寒月だったので、初折表の月の座は「月」の字を回避し、なおかつ初折裏の夏の月も出していません。ちゃんとした秋の月は今しか詠めません。助詞「の」は入れて下さい。

 


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