2022年7月7日木曜日

掲示板過去ログ54

 2012年 5月29日(火)23時34分46秒から2012年 6月 7日(木)00時28分30秒まで。




ゆふぐれ  投稿者:らくだ  投稿日:2012年 6月 7日(木)00時28分30秒

     ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まつてゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ

   雑巾を固くしぼつて作務開始         令

    餅肌いまや皸の日々            り

   氷下魚釣る糸を滑りし月の影         河

    胸張り少年大志抱けと           ん

   うたひつつTOKIOが走るCMの      だ


ちょっと前の曲ですが^^;

お捌きください。  

 

 

なるほど  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 6日(水)23時37分38秒

   まにょんさん、ありがとうございます。


 それにしても、芭蕉は難しいですねえ。句のどこにも書かれていない「幻住庵にはいってみると」「しばらく身を寄せるに足るような」「この木の蔭をしばしの仮りの宿としよう」というのが〔句意〕として出てくるとは…。〔解説〕に書いてあるならともかく…。


 もちろんこの句が『幻住庵記』に終わりに添えたものであるという、伝記的な事実はありましょうが、それって「句意」? なんだか釈然としないのでした。  

先ず頼む  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 6日(水)11時44分59秒

  先づ頼む椎の木もあり夏木立 芭蕉


〔季題〕夏木立(夏)

〔句意〕幻住庵にはいってみると、まわりはこんもりと茂った夏木立につつまれ、何はともあれ、しばらく身を寄せるに足るような、ひときわ高くそびえる椎の木もある。この木の蔭をしばしの仮りの宿としよう。

〔語釈〕先ずたのむ 何はともあれ、しばらく頼みとする、の意。

とあります。


〔解説〕は長いのでここでは書ききれませんが、「元禄三年(一六九〇)の作。『奥の細道』と並んで芭蕉俳文の精粋と目される『幻住庵記』の終りに添えた句で、『猿蓑』に収められている」と始まり、万葉集、源氏物語、山家集などを引いて、「ばく然とこれらの伝統的な発想をうけつぎながら、独自の詩境を築きあげたものというほかはない」と結んであります。  

現代俳句用語表現辞典  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 6日(水)01時20分54秒

   なるほど、類語には触れずに、俳句頻出語について例句を挙げるようなものなのですね。季語には歳時記があるのでおなじようなものを季語以外で作ったら面白かろう、というコンセプトなのでしょうか。いわば「雑」の歳時記?  

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 6日(水)01時17分30秒

   まにょんさん、どうも。一句目の釣り人が一人ではないとしたところがよいと思います。二句目はちょっと打越にかかるような。


   ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まつてゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ

   雑巾を固くしぼつて作務開始         令

    餅肌いまや皸の日々            り

   氷下魚釣る糸を滑りし月の影         河

    胸張り少年大志抱けと           ん


 らくださん、雑か春でお願いします。


 

ゆふぐれの巻  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 6日(水)00時46分18秒

  胸張り少年大志抱けと   ん


もしくは


我慢強さは道産子の性


お捌きください。



しょうねん(せうねん)〔少年〕年少の男児。

 少年の鞭しなやかに泉晴れ  北市都黄男

 岩山の少年に陽のはづかしめ 原  裕

 夏痩せて怒りの清き少年期  赤岡 淑江


さが〔性〕性質、生まれつき、ならわし。

 炭つぐにつけても性や荒々し    高濱 年尾

 跳ねる蝌蚪口惜しがる性未だのこり 能村 登四郎

 水中花子の性かくもわれに似つ   安住 敦


『現代俳句用語表現辞典』より


こんな感じです。  

バランスのこと。  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 6日(水)00時05分50秒

  私の書き込みは賑やかしの程度に考えてください。


「切れる」というのは、積木のバランスを崩すことなのですが、変化し転じ、崩しながら新たな場面でもなんとなくいままでと通底する雰囲気が出てくるので、そこが連句の面白いところですね。こういうバランスを考えながら「キレる」ってどういうことなんだろう。


いみじくもゆかりさんが挙げられた 古典的なひらがな、は、今回の歌仙では、発句の優美さを壊すまいという暗黙の自己規制が働いていて、にもかかわらず變化しよう転じよう、キレようとするから、固い意味の漢字が大きなるのかもしれません。

 

はい  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 5日(火)21時27分21秒

  たしかに単語レベルでした。

しばしお待ち下さい。


当該句があるかどうか、なければ他の句で「句意」をお知らせしますね(笑)。  

句意  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 5日(火)21時06分26秒 編集済

   まにょんさんのゲットした『全釈 近世俳句選』ですが、例句のあとに「季題」「句意」「語釈」「解説」と続きます、と聞くと、底意地悪く「句意」ってなにが書いてあるのか知りたくなります。例えば


先づ頼む椎の木もあり夏木立 芭蕉


だったら、どんなふうに句意が書いてあるのですか。どこからが解説として区別されるのだろう。  

俳句類語表現辞典  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 5日(火)20時55分44秒

   まにょんさんが紹介された『現代俳句用語表現辞典』(俳句研究社、三谷昭・編)と似て非なるものかも知れませんが、手許に『俳句類語表現辞典』(学研、宗田安正監修)なる本があります。こちらは、あいかん【哀歓】からはじまり、わるい【悪い】までで、意味、類語、例句を載せています。


しぬ【死ぬ】①生物の呼吸がとまり、命が終わる。②生気・生彩がなくなる。③働きを示さなくなる。

死す・逝(ゆ)く・果てる・身罷(みまか)る・絶え入る・眠る・世を去る・冷たくなる・露と消える・仏になる・骨になる・灰になる・土になる・土に返る・煙になる・はかなくなる・…(以下略)

<若くして死ぬ>若死に・早死に・早世・夭死(ようし)・夭逝・夭折

<貴人が死ぬ>薨(こう)ずる・崩ずる・お隠れになる・卒去(そっきょ)・(しゅつきょ)・登仙・薨去・崩御

<聖者・高僧が死ぬ>入寂・寂滅・入滅・遷化(せんげ)・仏滅・涅槃(ねはん)

朝顔や百たび訪はゞ母死なむ  永田耕衣

湯殿より人死にながら山を見る  吉岡実

かの后鏡攻めにてみまかれり  飯島晴子

戦死より情死が赤し冬の草   矢島渚男


など20句。こんな感じです。  

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 5日(火)20時23分59秒

   ううむ…。まにょんさんの場合、どうも自他場問題でひっかかりますね。多分、単語レベルで発想して、そこから前句との折り合いをつけるプロセスを割愛しているような気がします。もう一句お願いします。  

ゆふぐれ  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 5日(火)17時45分44秒

   針を千本呑むほどの嘘  ん

体言止めが続きすぎかも……。もしくは

 竹竿売りの声聞もかすれて


お捌きください。



昨日、同時に買ったのが『全釈 近世俳句選』(福音館古典全釈文庫21、中島斌雄・著 1959年発行〈半世紀前!〉)。

文庫本の半分くらいの大きさ。小さな誌面にこれまた小さな文字がぎっしり。写植の級数でいうと8Qくらい。


目次を見ると、

●解説

 近世俳諧史の概観/芭蕉/蕪村/一茶/諸家略伝(上・下)

●芭蕉名句選

 貞門談林時代/「虚栗時代」/「甲子吟行」の旅/芭蕉庵時代~、と続き

●蕪村名句選、●一茶名句選、●諸家名句選(上・下)。

付録として

●近世俳諧史年表。

索引、参考文献目録も充実。

諸家名句選は「元禄諸家」「蕉門名家」「安永・天明期」「文化・文政期」で分類。

例句のあとに「季題」「句意」「語釈」「解説」と続きます。

360ページ。約400句。面白いのですが、あまりにも文字が小さくて読むのに一苦労。


これが100円ってあまりにも安い(うれしいけど)。  

『現代俳句用語表現辞典』  投稿者:令  投稿日:2012年 6月 5日(火)12時21分7秒

  面白そうですね。

ネットの古書で見てみたら、そんな価格ではありません。

まにょんさんは、いいもの見つけられましたね。  

バランス  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 5日(火)08時34分16秒

   銀河さん、バランスの件だけど「ゆふぐれ」「はつなつ」「なかぞら」「からだ」「しぼつて」などで、適度な線を維持できていると思うけど、どうでしょう。  

水瓶座の水  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 5日(火)08時28分23秒 編集済

  生きていては遅すぎるのだ。


そうだ。生きていては!

老いゆくものが見まいとする意志の足裏から、

光りはとめどなく喉元に逆流し、

その舌先はいつだって小さな落雷にふるえているじゃないか。


(清水哲男「就眠試論」から一部)  

身も皮も固い氷下魚を食べにけり  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 5日(火)08時22分36秒

   ああ、お酒が欲しくなりますね。


 三谷昭さんはそのような仕事を残されていたのですね。挙げて頂いた例句、じつに面白いです。  

氷下魚  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 5日(火)00時51分23秒

  私は瀬戸内の近海の魚で育ったので、北国の氷湖の下に泳ぐ魚、というのがめづらしく。

氷面に丸い穴を開けてそこから釣り糸をたらすのです。これもうっかりすべりおちそうで、テレビで見ていてヒヤヒヤしました。

干魚になったのはまにょんさんのおっしゃるとおりあじわいのある味ですね。身も皮も固い。  

氷下魚  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 5日(火)00時08分1秒

  氷下魚ってコマイですね。大昔、隣の部屋に住んでいた北海道生まれの

イラストレーターから、田舎から送ってきたとコマイの干したものを

よくいただきました。ストーブで炙って、酒の肴にもってこい。

皮は側にいる愛犬(可愛かったなあ、もう死んじゃったけど)にいつもあげてました。

氷下魚でそんなこと思い出しました。あ、句を作んないとね。  

あ、ゆふぐれ  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 4日(月)23時04分22秒

  私の番だ、明日までお待ちください。  

神保町  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 6月 4日(月)23時00分54秒

  今日仕事の資料を探しに神保町に。古書店をあれこれ探索しているうちに本来の資料探しの目的を忘れて、

ワゴンセールの本をしこたま買い込んでしまいました。

しこたまと言っても、一冊100円から500円(貧乏人は悲しいね)。

その中の一冊。これは面白いですよ。昭和51年発行の『現代俳句用語表現辞典』(俳句研究社、三谷昭・編)。

昭和51年というのは3刷の日付ですから、けっこう売れたのかも。

知らないのは私だけかもしれませんが、読み出すとこれがもう止められないくらいの面白さ。


【あ】で始まる最初が

「あ〔吾・我〕古語。自称の代名詞。われ、自分。」と解説のあと


 吾にうなづき手拍ちうなづき踊子等  中村草田男

 妹とあがをれば来鳴きぬ鴎らも    篠原 鳳作


といった例句。


で最後は「ん」


「ん 助動詞。《む》と同意。活用語の未然形につき、予想・推量・想像あるいは決意などをあらわす。」

との解説のあとに


 霧の村石投うらば父母散らん     金子 兜太

 まくなぎを突っ切り来れば抱きとめん 鷹羽 狩行

 蜩に鳴かれパンのみに生きんかな   石原 沙人


といった具合。例句が面白いし、解説もグー(笑)。キーワードでのくぐりというわけでもないですね。

しばらくはこの本と遊べそう。判形はB6の横長。箱入り、クロス貼、定価2800円。

500円で購入(笑)、新品同様。

 

うーん  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 4日(月)22時25分3秒

  常識かどうか、あまり気にしていませんでしたが、


藍、褪め、雑巾、作務、開始、餠肌、皸、氷下魚釣る 滑る、


と画数が多い漢字が続き、しかも比較的暗いイメージなので、「氷」と「月光」で、ネガをポジに変えられるかな、と愚考したことでしたが。ゆかりさんは「字余り」の方が気になったんですね。まあしかたありません。後半でバランスをとっていただけるでしょう。

よろしくお願いします。  

え゛っ?  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 4日(月)20時31分15秒

  光をルビなしで「かげ」と訓むのは俳人の常識なのですか…。漢字や訓読やルビに深入りしない捌き人の性格上、ここは「影」で行きます。  

月の光 →  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 4日(月)19時53分28秒

  「つきのかげ」と、読んでほしかったのですが・・だめ?  

水瓶座の水  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 4日(月)19時46分32秒

   ところで清水哲男詩集『水瓶座の水』(紫陽社。昭和49年)を手に入れました。「スピーチ・バルーン」って、ここに収められていたのですね。その後、独立した詩集になったのだったか。  

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 4日(月)19時38分56秒

   銀河さん、どうも。下五字余りが気になるので影にしてみます。


   ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まつてゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ

   雑巾を固くしぼつて作務開始         令

    餅肌いまや皸の日々            り

   氷下魚釣る糸を滑りし月の影         河


 まにょんさん、雑でお願いします。  

ゆうぐれ。冬月再案  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 4日(月)09時56分5秒

  氷下魚釣る糸を滑りし月の光  銀河

寒月の湯につかりたき日本猿  銀河


猿にもわかる記号論、ねえ。なるほど。  

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 4日(月)01時54分35秒

   すみません、前句「あかぎれのひび」と読ませたいので、「アカ狩り」は避けたく…。


  あかがりやどんみり暮れてゐて仄か  八田木枯


という句を先日、七さんに「どんみり」を訊かれて引用したのでしたね。いろいろなことがつながっています。


 ところで「猿でも分かる記号論」みたいなサイトないですか。  

しまった!  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 4日(月)01時46分56秒

  藍に対して赤。色のイメージgが続きますね。夜が明けtら再考します。_(._.)_   

ゆふぐれ 月  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 4日(月)01時39分49秒

  アカ狩りを逃れ酷寒月の駅  銀河


皹  アカガリ踏むなあとなる子

   われも目はあり先なる子



という童謡があるのですが、これでわかるでしょうか?


あ、おしらせしておいて「読むな」なんて、関係者に失礼でした。お時間のある時に読んでください。_(._.)_   

この人の、モンタージュ論は、自然にわかってくる範囲のことです。  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 4日(月)01時22分28秒

  べつに読まなくても、今までの俳句の言説の中で言われている以上のことは書かれていませんよ。ゆかりさん提案の実験的実作に励んだりの句会の方がりかいにやくだちます。

 

はい  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 4日(月)00時34分8秒

   銀河さん、ありがとうございます。歯が立たないかも知れないけど、行きがかり上、読みます。http://d.hatena.ne.jp/namdoog/20080505からですね。  

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 4日(月)00時23分3秒 編集済

   令さん、どうも。


   ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まつてゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ

   雑巾を固くしぼつて作務開始         令

    餅肌いまや皸の日々            り


 銀河さん、冬の月で。  

追加です。  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 3日(日)23時40分3秒

  菅野氏のこの連載は、2008年5月5日から6月3日まで、11回にわたっています。


寺田寅彦の俳句についての文章は、青空文庫で。


 

ゆふぐれ  投稿者:令  投稿日:2012年 6月 3日(日)20時49分0秒 編集済

     ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まつてゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ

   雑巾を固くしぼつて作務開始         令


お捌きを。


エイゼンシュタインは元々、俳句から発想を得たんでしたね。

ゆかりさん紹介のyou tubeの戦艦ポチョムキン、40年ぶりぐらいに見ましたよ。

いつ乳母車が出てくるかなーって。

’70年頃公開だったと思うのですが、昭和初年からその時まで日本では上映されてなかったそうですよ。

’70年頃のときは、『十月』と一緒にやってました。


まにょんさん、新藤兼人は話題にしたところだったのでびっくりしました。

新聞にも相当大きく出ましたね。社会的影響力の大きい人だったのですね。

俳人とは大違い。


(4)が出題されましたか。  

おお  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 3日(日)15時02分23秒

   なるほど、「すげのたてき」さんとお読みするのですね。さっそく情報ありがとうございます。

 そう、仁平さんの本は郁乎つながりで引っぱり出してきました。買ったときには何が書いてあるのかさっぱり分からなかったものでした。このような話題のゆるやかな連鎖は、じつにゆかり好みなのです。  

モンタージュ。。菅野盾樹氏  投稿者:銀河  投稿日:2012年 6月 3日(日)14時53分54秒

  ゆかりさんの教えてくれたブログの管理者は「菅野盾樹」大阪大学の哲学や記号学の研究者です。人間学のような講座をもっておられるようです。

いつものように、松岡正剛のレトリックについての書物紹介に、

北川さん本にあった『佐藤信夫のレトリックの感覚』『レトリックの認識』それからこの菅野さんの本の記述があります。

【現在思想のために】というブログの2008年5月に《俳句の世界制作法》(1)-(7)というかなりながいエッセイが連載されています。ゆかりさんご紹介の文章は、そのなかの(6)

です。おしらせまでに。



さて、仁平勝の秋の暮登場。加藤郁乎が秋の暮だけで50句つくった、という今は懐かしの話題も思い出します。


またまた難題・・

「俳諧で切れというのは、発句が脇句にたいして切れるということだ。」


仁平勝さん、このごろどうしていられるのだろう。お元気かな?

 

詩レ入句会(4)出題  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 3日(日)14時30分33秒 編集済

   さて、いよいよ第Ⅱ章です。


Ⅱ 余白論の試み

1 余白の出現、ざしきぼつこのような (p.34)


 北川透は書きます。


 詩の出現とは、必ず(と言っていいほど)余白の出現である。だれもがそれを自明にして書き、読んでいながら、忘れている。


 ひるがえって、私たちの俳句の世界には切れ字というものがあります。仁平勝は『秋の暮』(沖積舎。1991年)に収められた「季語と切字」の中で次のように書いています(p.66)。


 (前略)じじつ切字のことを、「や」のように句中に意味的な切れをつくるものと理解している俳人が多い。俳諧でいう切れと、いわゆる区切れとがゴッチャになっているのだ。そういう人たちは、なぜか同じく代表的な切字である「かな」や「けり」のことを考えない。「かな」や「けり」のほうを考えればわかることだが、俳諧で切れというのは、発句が脇句にたいして切れるということだ。


(そして話は、なぜ「や」によって発句が脇句と切れるのかと続く。)


 さらにその一方で長谷川櫂の最近出た『一億人の「切れ」入門』(角川学芸出版。2012年)では、手許にテキストがないので正確ではありませんが、「この句の切れは俳句の前と後ろにある」的な表現で、句中の意味的な切れ以外のものを表現しています。(テキストをお持ちの方は、正確な引用でお助け下さい。)


 さて出題です。


【切字があって余白がある俳句】(3~5句くらい)

【切字がなくて余白がある俳句】(3~5句くらい)

【余白がない俳句】(余力のある方のみ)


投句締切:6月9日(土)24:00(JST)

投句宛先:yukari3434 のあとにアットマークと gmail.com


★整理の都合上、俳句の行には俳句以外の題とか記号とか俳号とか本名とかを書かず左詰で列挙願います。


 よろしくどうぞ。  

新藤兼人監督  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 3日(日)13時52分10秒

   この掲示板で話題になった翌日にお亡くなりになったのですね。奇縁です。追悼番組や記事があれば、気をつけて見てみます。しかしわたくし、関心のあるジャンル以外だと訃報が新聞の一面に載るような第一人者でもぜんぜん知らないのですね。あまりのアンバランスさに愕然とします。  

エイゼンシュタイン  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 3日(日)13時44分33秒

   エイゼンシュタインと寺田寅彦に関しては、以下のブログが参考になりますね。プロフィールを拝見してもどなたなのかよく分からず<現在思想の会>という組織のようですが…。

http://d.hatena.ne.jp/namdoog/20080526


 

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 6月 3日(日)13時35分50秒

   すみません、木金土と三連荘でリアル界に属していました。


   ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まつてゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ


 おお、なんとも愛の冷めていそうな…。令さん、お願いします。



 

訃報  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 5月30日(水)21時49分26秒

  新藤兼人監督の訃報、合掌。  

ゆうぐれ9  投稿者:らくだ  投稿日:2012年 5月30日(水)14時26分40秒

     ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まってゆくからだ      ん

    藍の褪めたる衣まとへば          だ


お捌きください。  

ゆふぐれ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 5月30日(水)08時04分21秒

   すみません、捌いた気になっていましたが、書き込んでいなかったようです。


   ゆふぐれの舌の薄さや著莪の花        令

    生まれつつあるはつなつの闇      ゆかり

   元栓は閉めたはずだが気になつて      銀河

    鳩吹く人の仰ぐなかぞら       まにょん

   一陣の風に水面の月ゆれて        らくだ

    拍子木の音たかき地歌舞伎         令

ウ  酒癖の悪き郎党ばかりなり          り

    一目惚れしたその腕つぷし         河

   序の口に乗れば染まってゆくからだ      ん


 らくださん、続けて下さい。

 

おはようございます  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 5月30日(水)08時00分46秒

  物理学の先生もエイゼンシュタインに言及しておりませんでしたでしょうか。あの、忘れた頃にやってくる人…。え~と。  

誓子ですよね  投稿者:令  投稿日:2012年 5月30日(水)00時47分39秒

  最初に「モンタージュ」を言ったのは。

最初日本で上映されたとき、俳人もエイゼンシュタインを見たそうですよ。


誓子によるモンタージュという言葉が最初に出て来るのは、「山茶花」昭和6年4月号だそうです。

 

ああそうか。モンタージュ。  投稿者:銀河  投稿日:2012年 5月30日(水)00時35分59秒

  俳句では重要なレトリック。インタラクティブに作用し合っている感じでしたね。いろいろな説明があるようですが、直接な影響があるようになっているんですか?  

戦艦ポチョムキン  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 5月30日(水)00時24分30秒

   二物衝撃というと、必ずセットでエイゼンシュタインのモンタージュ理論への影響云々という話が出てくるので、いつか観よう観ようと思っているうちに、二十一世紀もはや干支一回りという塩梅で、映画というとハードルが高すぎて下を歩いてくぐれます。  

裸の十九歳?  投稿者:銀河  投稿日:2012年 5月30日(水)00時23分16秒

  だったね。進藤兼人のは。見なかったけど。

大島渚のあれは、モデルはなかったんですか?と切れと切れに覚えています。

佐藤慶がギラギラした徹底した反社会的反抗者で、小山明子がこれがまた優等生の教師でしたね。「どんな良質な共同体も彼を救えない」という感じ。彼女のセリフだったか、私の思いだったか。くべつつかぬほど、感情移入したことを覚えています。


ところで下のポチョムキンはどういう意味ですか?ゆかりさん。(^<^)。



「認識とレトリックは表現として同時的に成立する。」26頁

「基本的に価値論の文脈で考えられるべきである」  27頁

「詩的レトリックは意味の流れを切断し、意味には翻訳しきれない価値のあり方を示している。」

これにつづく

北川さんの文章


定型に依拠している歌人や俳人たちが定型の生理を知ろうとするのは、この拘束を自由な装致に転換するためである。定型は詩的レトリックのひとつあり方である。」29頁

                         以上引用は 北川透『詩トレ』より


そろそろテキストにもどるならば、この辺がこの章のキーポイントでせうね?


 

裸の十九歳  投稿者:まにょん  投稿日:2012年 5月30日(水)00時14分31秒

  永山則夫をモデル(というよりそのままですけど)とした映画は

『裸の十九歳』ですね。新藤兼人監督作品。

その後若松プロ関係で『略称連続射殺魔』が作られました。

いわゆる風景論の映画。松田政男とか、足立正生(監督だったかな)とか。


『戦艦ポチョムキン』いいですね。完全版を見逃してしまいましたが。

十代のころは、映画ばっかり。環境的にほとんどタダで観られたので

休みの日は一日二~三軒の映画館をはしごしたりしてました。

バイトは映画館のボイラー室だったし(笑)。

私の当時のベストワンは『昭和残俠伝 死んで貰います』。マキノ作品。あらら、ですね(笑)。  

ううむ  投稿者:ゆかり  投稿日:2012年 5月29日(火)23時34分46秒 編集済

 

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